短編小説

□余裕の君
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本当に些細なことで、俺はすぐに自信をなくす。今に始まったことじゃない。
今まではそれで特に困ったことはなかった。
どうせ俺なんか。諦めることで今日を乗り越えられた。
でも今は…

本当に俺なんかでいいの?
貴方がいいんです。

口にしてから後悔。俺には学習能力というものがないんだろうか。
古泉の背に額をこすりつけながらまた自己嫌悪。悪循環は止まらない。
毎度毎度古泉はよく呆れないな、と思う。
「はぁ。」
「…っ、」
どうしよう、どうしよう、今度こそ古泉に嫌われた!
頭が真っ白になって、息が詰まって、古泉はしがみつく俺の手を外す。
涙がこぼれた。嫌われたくない、一緒に居たい、離れないで…
頬を細い指がなぞって、再び古泉の匂いに包まれる。
「こ、いず、みぃ…」
情けない鼻声で呼ぶと、
「キョン君が好きですよ。」
甘い声と、やさしくなでる掌にやっと俺は安心できるんだ。

余裕の君

もう少しこのままでいたい、許して。





キョンかわいいよキョン(^ω^)

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