お題

□貴方の心に俺はいない
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「なぁ、古泉はさ、その…好きな奴とかいんの?」
我ながら不自然だったと思う。
沈黙に耐えきれず、ずっと気になっていたことを質問してみた。聞かなきゃよかったと俺はすぐに後悔した。
「えぇ、いますよ。」
だって。即答。じくじくと痛む胸。俺の遅い初恋は脆くも砕け散った。
「ふぅん。」
そりゃコイツは金持ちで有能で、寄ってくる女なんか山程いるだろう。
俺を食事に誘うのは、俺がこいつの男友達に近いポジションだからだ。
俺なんかと居ないでそいつを食事に誘えばいいのに。
こーきゅーレストランでもなんでも行けばいいだろ、バカ古泉。
心のなかでは軽く八つ当たりをして、
「恋、叶うと良いな。」
なんて何いってんだ、バカは俺だ。
「今日はここまででいいから。」
いつもご丁寧に家まで送ってくれる奴をなんとか言いくるめて一人夜道を歩くとなんだか知らんが涙が溢れる。
初恋は実らないなんて誰が言ったんだ、そいつをぶっ飛ばしてやりたい。そんなことしたところでこの恋が叶うわけでもないんだが。
判ってたじゃないかこの恋の結末なんて最初から。
俺は女らしさも上品さも欠片もないし可愛さも魅力も皆無。おまけに素直じゃない。
いっそ男に生まれてりゃこんな恋しなくてすんだのに。

家につく。独りきりの空間が今はありがたい。
はぁあ、という深いため息も、だらしなくいきなりベッドに倒れこむ姿も誰にも見られないですむ。
「古泉…」
呟くと、携帯が鳴って。びっくりさせんなよ。見ると古泉からのメールだった。
『今日はありがとうございました。是非またご一緒しましょう。』
というメールに、やだね、と一言呟いて俺は意識を手放した。





続かせる気なかったんだけど;
キョン子かわええ、好きd(ry←←

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