12星座達の日常

嵐は牙をむく
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その日は快晴だった─




雨一つ降らなそうな青空。

心地よい朝の光を浴びながら、中学三年生の水野硬太は今日も重い足取りで学校へ向かう。




「ふああぁぁぁ〜〜…。あ〜あっと…、めんどくせぇな……」




大きなあくびをしながら、ワックスで整えた頭をボリボリとかきむしる。
呑気に歩いて学校へと向かっているが、彼は完全に遅刻している。




学校に着いて玄関でスニーカーを脱ぐと、それをロッカーに入れて上履きを取り出す。
その上履きを乱暴に廊下に置くと、まるで両足を全て納めるのが面倒といったように、かかとを踏みつけたまま上履きを履いて、そのまま廊下を歩き出す。

ポケットから徐に風船ガムを取り出し、それを口の中へと放り込んだ。

と、向かいから通りかかってそんな硬太の様子を見ていた教師が、目敏くくいかかってきた。




「おい、水野。お前はまた遅刻か。それに上履きはちゃんと履きなさい。」

「…………。」




しかし馬の耳に念仏。
硬太は教師の言うことなど全く聞かない。
そればかりか、まるで教師に見せ付けるかのように、口の中のガムを風船にして膨らませた。

「コラ、水野!先生の言うことが聞けないのか!それにお前、そのピアスをどうにかしなさい!アクセサリーは校則違反だぞ!」

硬太の両耳には銀のピアスが光っていた。

しかし教師がいくら注意しても、硬太は黙って教室へと向かうだけだった。




「コラーーっ!ガムを噛んで学校へ来るんじゃなーーい!!」




教師の声も虚しく、教室の扉が閉まる乾いた音だけが残った。
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