十二守護星LEO

□【22】サイバーカノン
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「んぐっ!!」

ミユが遼子に覆い被さったことで、カノンの攻撃は無効になった。
遼子は悲鳴をあげたつもりだったのだが、光る縄のようなもので口を塞がれているため、こもった声しか出なかった。

ミユに対して、何かを必死に訴えようともがく遼子にハッとして、ミユは遼子の口元の縄に右手を翳した。
目を閉じて力を送り込むミユ。
すると、遼子の口を塞いでいた縄はパチンッと弾けて消えた。
ついでに遼子の体を縛り付けている縄も消した。




「助けてくれてありがとうミユ。」




息を切らしながら礼を言う遼子に、ミユは微笑んだ。

と、遼子はミユを見て少し不安そうにたずねた。








「姿が変わっても、ミユはミユだよね…?」









その言葉を聞いて、ミユは少し間を置いてから遼子にニッコリ微笑んで一言







「うん。」








そう言った。




隙を付いてカノンが再び攻撃をしようとする。
と、そこを早矢の黄金の矢が飛んできた。




「ゴールドアロウ!!」




もの凄い速さで飛ぶ早矢の黄金の矢は、カノンの右頬をかすった。
彼の右頬には小さな傷ができ、そこから赤い血がゆっくり流れている。




「次は頭だ。」




そう言って、早矢は黄金の矢をカノンの頭に狙いを定める。




「今すぐ遼子ちゃんを解放するんだ。さもなくば今に貴様の頭が吹き飛ぶぞ。」




冷たい瞳でカノンを睨み付ける早矢。
しかしカノンは微笑むと、攻撃をやめて両腕を開いて立つだけだった。

その様子はまるで“やれるものならやってみろ”と言ってるようだった。




「くっ…!」




カノンの挑発に腹を立てた早矢は、容赦なくその頭に矢を放った。
が、しかし!







パシッ







「何っ!?」




なんと目の前に飛んできた早矢の矢を右手で掴んでしまったのだ。
それを見て早矢は、顔を真っ青にした。






し…、信じられない……!

マッハの速さで飛ぶ僕の攻撃を見抜くとは……!!

これは相手が悪すぎる!!




カノンは、掴んだ矢をそのまま右手の力でへし折ると、真っ二つになった矢を地に投げ捨てて再び自分の攻撃を再開した。




「いっ…!」

「っ!」




再び内側から響く鈍痛に、頭を抱えたりうずくまるミユ達。
と、その時苦痛に顔を歪めながら硬太が叫んだ。




「レオ、今や!!」




次の瞬間、レオはカノンの背後から現れた。
右手に大きく燃え上がる炎をまとい、カノンを狙って彼の背後を高く飛ぶ。




「!!」




背後のレオに気付き、慌てて振り向いたが遅かった。




「お前の相手はこの俺だ!サイバーカノン!!」




そう言ってレオは、炎で燃え上がる右手の拳をカノンの鳩尾にぶつけた。
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