十二守護星LEO
□【22】サイバーカノン
4ページ/6ページ
が、カノンの攻撃は再び外れた。
見るとそこには遼子を横抱きに抱えて、カノンから避けるレオの姿があった。
「レオ!」
ミユは安心して笑顔になった。
しかし、逆に遼子は先程の恐怖の余韻が残ってるため、レオの腕の中で顔を真っ青にしながら身を震わせていた。
「悪かったな。俺達の戦いに巻き込んじまって…。今日のことはこの戦いが終わった後、全てなかったことと思って忘れてくれないか。もし覚えてたとしても、夢だと思って決して誰にも言わないでくれ。」
「わわわ、わかっ…、わかった。いいいいい言わないから。忘れるからっ」
「よし、約束だ。」
「う、うんうん、約束約束!と、とりあえずなんでもいいから早くあのSFサングラス何とかしてよ!!」
顔を真っ青にしながら頷く遼子に、レオはニヤリと歯を見せて口元を歪めると、遼子を降ろして右手をカノンに向けた。
「よっしゃ!くらえ火炎放射!!」
その瞬間レオの右腕が光り、右手から炎が吹き出しカノンに命中した。
「っ!」
カノンは、自分の顔を命中したレオの炎を振り切ると、右手で自身の顔をおさえ、少し間を置いてからそのまま声を圧し殺して不気味に笑い始めた。
「!?」
何が可笑しいのかといった表情で、カノンを見るレオ達。
カノンは顔から右手を離すと、鋭く怪しい目付きでレオ達を見てニヤリと微笑んだ。
そして近未来型のシンセサイザーを消すと、変身を解いた。
それを確認したメデューサは、預かっていたノートパソコンをカノンに返すと、カノンはそのパソコンの画面をレオ達に見せた。
そこにはこう書いてあった。
“面白い。…実に面白い。ワタシは君達を気に入った。とくに火村玲男、君とはいい敵同士になりそうだ。君達との戦いは次までにとっておこうか。また天界で会えるのを楽しみにしている。”
それだけ見せると、カノンはレオ達に背を向けて立ち去っていった。
そんな彼の後ろを必死にパタパタと付いていくメデューサ。
そんな二人の後ろ姿を見て、レオはとくにカノンに対して闘争心が炎のように燃え上がっていた。
ティム・カノン。
次に会うときは絶対にこの手で……!
レオは、カノンの背中を睨み付けながら右手を力強く握りしめた。