十二守護星LEO

□【22】サイバーカノン
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その頃、カノンと歩いていたメデューサは、黒い短パンのポケットから目の痛くなりそうなショッキングピンクのスマートフォンを取り出し、何処かへ連絡をし始めた。




「はぁい!メデューサちゃんよ〜!」




メデューサの陽気な声とは裏腹に、通話相手の声は低く静かに言った。
その声は、レオ達も知ってる声だった。




『メデューサか。ご苦労だった。…で、どうだった?』

「もうバッチリ盗んで来ちゃった!“やつら”の戦闘スタイルを。」

『よくやったぞ。何かわかったことはあったか?』

「今回はメデューサちゃん、戦ってないもん。カノンに聞かないとわかんない。」




そう言ってカノンを見るメデューサ。
カノンは急いでPCのワープロで文字を打って、それをメデューサに見せた。




「あ、なんかカノンがね“やつらの戦闘スタイルの秘密は、団結力とタイプのバランスが大きいと思います。”だって。」

『なるほど…、団結力とタイプのバランスねぇ……』




カノンはさらに文字を打ち、それをメデューサに見せる。




「でね、カノンがね“今回ワタシが戦った相手はごく数人でしたが、もし守護星全員を相手にしてたら今頃ズタボロになって帰って来てると思いますよ。”だって。」

『へぇ…。それは面白いな。ところで一人、俺が目を付けてるやつがいるんだが…』

「え、何?誰誰!?」




すると、少し間を置いて通話相手が口を開いた。




『火村玲男という男を知ってるか?』

「うん、さっきカノンが戦ったよ。なんか他のやつらと比べたらズバ抜けて強かった。」

『…やっぱりな。』




そう言って通話相手は「クククッ」と笑った。




『いいかメデューサ。このことはカノンにも伝えておけよ。「最終的に火村玲男を殺るのはこの俺だ」ってな。』




そう言って電話の向こうで笑う声はかなり不気味なものだった。




メデューサと通話してた人物は、通話を切ると大きな椅子に深く腰掛けて椅子の手摺に肘を付く。
そして、その手を口元に近付けてニヤリと怪しく微笑んだ。




「全てはナイトメア様の復活のため………。フッ、フフフッ……。フフフフ。フハハハハハハハ!あーっはははははは!!」







レオ達守護星もよく知るその人物の盛大な笑い声は、広い室内全体に響き渡ったのだった。
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