□雨
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ある人界に古びた館があった



そこは誰一人として近づいた者は居ない





「ここなら誰も来ないだろう」



館に男が入った



「外見は凄く廃れてるのに中は結構綺麗だ」



男は奥に向かって歩いて行くと小さな声が左側の部屋から聞こえた



「ふっくっつっっ」



男は部屋のドアを静かに開けて中を覗いた



割れた窓から差し込む光に照らし出された悪魔と天使の羽根…淡い光に流れる涙が輝いた



いつの間にか見とれていると自然と足が動いた



『ジャリッ』



足音に驚いて男を見ると何処かに行ってしまった



男は言った



「何もしないよ」



すると小さな返事が返って来た



「俺を殺しに来たんじゃないの?」



「違うよ…俺地界を追放されたの」



「本当?」



ドアから覗く顔に男は笑って言う



「本当」



男は覗く顔に向かって手招きをしながら言った



「俺は二宮和也、君は?」



「櫻井翔」



「翔さんか」



翔は少し笑って和也の前に来た



「二…宮さんは行く当てが無いの?」



「ニノで良いよ、無い」



「じゃあここに住んでも良いよ?」



「ありがとうございます。何で翔さんはさっき泣いてたの?」



「俺が化け物だから…」



ニノは翔を抱き締める



「あっのっ」



「違うよ…翔さんは化け物じゃ無い」



驚いていた翔はニノにしがみついて泣き出した



「俺…俺突然殺されそうになって…怖かった…つっ…」



ニノが翔の頭を撫でていると落ち着いたのか寝てしまった



翔を起こさないように二階の左側の奥の部屋に運ぶとベッドに寝かせる



部屋を出ようとすると翔が服の裾を掴んでいた、ニノはベッドに寄りかかって寝る






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