骨3
□友達以上
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心の底から誰かを好きになった事など産まれて初めてだった
あなたを思う程空っぽの心が締め付けられるように苦しくて
あなたを思う度空っぽの心がドクドクと脈打って
あなたを見つける度歪んだ眼が無意識に後を追って揺れる
誰も好きにならないと思っていたのに
なぜかあなたが頭から離れない
籠に閉じ込められた鳥のように
蜘蛛の糸に捕らわれた蝶のように
あなたから逃げられない
俺はどうしたら良い
あなたに飼われ喰われるのをただ何もせず待つのか
あなたから逃れるためにもがき苦しむか
俺が何をしてもあなたは残酷に笑う
ただの友だと
それ以上でも以下でもないと
俺はもう飛べない
あなたに殺されるのを待つ哀れな生き物
少しでもあなたと一緒にいられた時間は俺にとって幸せだった
鋭い牙であなたを喰らった俺
あなたの血肉を啜る俺は思い出す
俺の翼はどす黒く血に染まっていた事を
鳥のように純粋ではない
蝶のように綺麗ではない
汚れて地を這う獣
俺はあなたを喰らった醜き獣だった
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