□黒血1
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「みっ見逃してくれ!」

「………」



辺りは真っ暗でとても冷たい風が吹き、厚い雲に覆われていた月が出て男と青年を照らす
2人の周りには30人程のを死体が転がり赤黒く染まっていた


「頼む!殺さないでくれ!」


恐怖に満ちた声をあげ後ずさる男は1人…いや1つと成った死体に足を取られ尻餅を付いた
男の後を追う様にゆっくりと近づいてくるもう1人の青年は、全身を黒で覆いニヤリと薄笑いを浮かべ
顔に付いた返り血を舐めとると初めて口を開いた


「あんたの血………美味い?」

「ひっ!」


短く悲鳴をあげ走り出した男は突然喉から血を流し地面に膝から崩れ落ちる
正面から血を浴びてしまった青年は血を舐めとり顔をしかめた


「…美味くない」


青年はサバイバルナイフの様なナイフを鞘に納めると真っ暗な路地へ歩いて行った






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