肉
□黒血8
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「違う、俺と一緒に来るか?」
「えっ!?」
狼は戸惑いからか殺気が消える
「ここで野垂れ死にしたいなら構わないが、生きたいなら俺と来い」
「死にたい訳じゃない、でも生きたい訳でもない」
「なら何がしたい?」
「面白ければ何でも良い…あんたと一緒に行ったら楽しいか?」
狼の目は無邪気な子供の様に期待に満ちていた
それは普通の子供なら当たり前の表情でも、狼にはどことなく違和感を感じ可笑しく思えた
「もう一度聞く、俺と一緒に来るか?」
「行く」
狼は迷わず男の手を取った
「飛狼、今からそれがお前の名だ」
「飛狼?」
「俺は飛龍(フェイロン)だ、龍(ロン)で良い」
「飛(フェイ)は同じなんだ」
「ああ、嫌か?」
「嫌じゃ無い…」
狼は…いや飛狼は嬉しそうに呟く
龍は飛狼を連れて帰った
それからと言うもの飛狼は龍によって色んな事を教え込まれた
3年経った頃、龍が闇会社のボスだと聞かされ、飛狼が後を継ぐ様に言われた
飛狼は薄々龍が何者でどんな事をしているか気付いていた
龍により飛狼は戦術や武術、体術など
武器から人の心理まで全ての知識を教え込まれた
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