★short story★

□come on baby! 前編
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「ナツ」

いつもと違う低くて冷たい、いかにも怒ってるわ★的なトーンで
フェアリーテイルのカウンター席に足を組み、横を向いて座っているルーシィは、その正面にナツ正座させ、怯えさせていた。


「…はい」

そんな雰囲気を感じたのかナツも今は縮こまって冷や汗までかき始めている。

「ルーシィってば、今日はエルザみたいに怖いね…」
「おぅ、今日は一緒に依頼いかなくてよかったぜ…」
少し離れたテーブル席に座っている(飛んでいる)俺とハッピーもそのオーラを感じ、
自分がナツと同じ目に遭わなくて良かった、と小さな声で喋っていた。

「そこの変態と猫」

小さい声で、だったはずなんだがな…。

「煩いから黙っててくれる?それが出来ないならあんた達もここ、座らせるわよ」

「「…あい…」」

どうやら今のルーシィは耳まで敏感らしい。きっと何言っても聞こえるだろう。
今のルーシィは怖すぎる。俺まで押されてハッピーと同じ反応してしまった。
つーかハッピーはまだしも、俺なんも関係ねぇのに…。


「あんたがまた壊しまくったせいで今日の依頼金パーなのよ?あたしの家賃どーしてくれんの?」
「…あい…」

おぉ。ナツまでもがハッピー化してる。ルーシィ恐るべし。

「ハッピーみたいに喋ればなんとかなるとか思ってるわけ?あたし、そんなに甘くないわよ」
「…あい…」
「話聞いてた!?」

うん、今の台詞聞いてもまだハッピー化するんだあいつ。馬鹿だな。

「ハァ…家賃払う日明日なのに…まだ7万ジュエルないし…」
「…」
「どーしてくれんのよ」
「…」
「ちょっと、なんとか言いなさいよ」
「わかった」
「何が?あたしの家賃代わりに払ってくれるの?」
「ルーシィが俺んちに来ればいいんだ!!」


「…、はぁぁぁあ!?」

いや、そうだよな…。いきなり自分の家に来いっていうのも、うん。
そりゃその反応するよな。

…っていうか。



「ナツ!お前何言ってやがる!!」
「いや、オイラはナツに賛成だよ。ルーシィオイラ達の家おいでよ」
「いやいやいや、だからナツんちは駄目だろ!!」
「うるせーなー、なんでグレイが出てくるんだよ」
「ていうか、なんであたしがあんたの家行かなきゃならない訳!?」
「だって、家賃払えないんだろ?じゃあ家賃溜めるまで家いられないじゃん」
「そ、そうだけど…」
「だとしてもなんでお前んちにルーシィを泊めるんだよ!!」
「だからなんでお前が出てくるんだよ、関係ないだろ!!」
「う…」

確かに関係ない。一緒に依頼行った訳じゃないし、でも

「で、でも!年頃の娘が男の家に一人で泊まるなんて危ないだろ!!」
「あんたはあたしの母親か!」
「ぐっ」

ツッコミなのかなんなのか、いきなり右ストレート食らったけどまぁいい。
問題はこっちだ。

「でも今回は俺のせいだし」
「いや、今回だけじゃないわよ」
「確かにそうだねー」
「余計なこと言うなよハッピー。だから、なるべく早く依頼行って、7万ジュエル貯めればいいだろ?それまでは俺んちに居候しとけば安全だし」
「確かにそーよね…」
「だろ?」

やっべぇなんか妙にルーシィが納得しはじめた。
このままだと本当にナツの家に泊まることになっちまう!!
それだけは阻止するべきだ!
かといって俺の家に誘うのも理由がないし、まず変態の家扱いで終わりだ!!(自分で言っててちょっとアレだけど)

「別にナツの家じゃなくても女子寮とかあんだろ!!」
「あ、そーか」
「え〜」
「なんで『え〜』なのよっ!!!」
「ミラさん、女子寮の部屋空いてる?」

確か女子寮はそんなに人入ってないはずだ。うん、この調子で行けば大丈夫、阻止できる。

「ごめんねルーシィ、今レビィが依頼先で貰った洋服とか骨董品とか、女子寮の空き部屋においてるのよ。
洋服はみんなで分けるらしいけど、骨董品はレビィが研究したくてそこに置いてるの。そのせいで部屋全部埋まっちゃってて」

「「えぇぇえええ!!」」
「…て、なんでグレイまでそんなに驚いてるのよ」
「い…いや…」

おいおいレビィ、何してくれてる!?このままじゃ本当にルーシィがナツの家に居候することになっちゃうじゃねーか!!

「そんな〜…じゃ、やっぱナツんち…?はぁ…」
「おう!!ちゃんと風呂もあるし、布団もあるぞ!!」
「そういう問題じゃないでしょ!!」
「でもオイラ、ルーシィと一緒にいるの嬉しいよ!!」

満面の笑みで何言ってやがるこの猫野郎…!猫だからって何言っても許されると思ったら大間違いだぞ…!

「まぁ…、しょうがないわよね」
「おう、やったー!ハッピー、これでちゃんとした飯食えるな!」
「あたしはメイドか!!」

回し蹴りでナツとハッピーを仕留めたものの、2人は結構すぐに復活した。…ダメージは大きそうだが。
しかしあれも”ツッコミ”なんだな…。

「全く…ナツのせいでナツの家に行くことになるのに…」
「大丈夫だって、なんもしねーよ」
「そーだよルーシィ、ナツは天然で純粋で馬鹿だから」
「ハッピー、最後の余計だぞ」
「うぱ!」
「いや、『うぱ!』じゃねーって」
「いや、天然だから余計何するかわかんないわよ。…でもなんかしたらすぐに出てくからね!!」
「おぅ!安心しろ!」
「ていうか、それで決定なのかよ…」

うなだれる俺を余所にナツたちはもう帰る準備を始めていた。



続く。
*-*-*-*-*

やべ、続いちゃったよ!!
なんかあるお気に入りサイト様は1Pでやっていてですね。なんかこれ良い!!とか思ってこれからはSSは1Pでやります。だから続く。
うん、またもや3人絡ませてしまった。当初の予定から大きくはずれた。それもこれも夏目は最初のネタしか考えないから←
先考えないからたまにおかしい。いや、頻繁におかしい。それもこれもごめんなさい←日本語。
ナツルーの予定だったのに。グレイは暖かく見守ってる予定だったのに。グレイ視点にしてみたらこうなった。
ていうかナツルーどころかギャグで終わらせたかったのに。←ギャグできないのにね
次、ナツんち行きまーす。明日FTだね!!楽しみだね!!そして私はアニメ派。だからまだよくわからない←
コミックス集めてる最中です。


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