★short story★

□come on baby! 中編
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「ただいまぁー!」
「へぇ、結構片してるのね」
「あい!てゆうか物がないだけだけどね」
「おう!でも結構快適だぞ!」
「あっそ…」

とうとう来てしまった…。
今日からこのナツの家にルーシィが一時的にだが生活する。
詳しくは前編参照。
なんで俺がここにいるかというと、ナツだけだとほら、なんか心配だろ。いや別にナツとルーシィが二人っきりになるのが嫌だとかそーいうことじゃなくて(ハッピーは猫だから無視)。いや別になんか下心があるとかじゃねえから。本当に。

とにかく、ナツがルーシィのこと好きっていうのはギルドの誰もが知っている事だし(気付いてないのはナツ本人とルーシィくらいだ)、いくらあいつが馬鹿で天然だとしても、そんな奴をほっとけるか!!

「なんでグレイまで来るんだよ…」

ナツがなんかボソボソ言ってたが、小さすぎて誰も聞き取れなかったようだ。俺も含め。でもなんか腹立つな。
つーわけで、俺もナツんちに来ている。

「まぁいいわ。とりあえずご飯たべましょ。不本意とはいえ家に置いてもらう訳だし今日はあたしが作ってあげる。何がいい?」

「うほっまじで!?じゃあ俺ハンバーグとパスタとしょうが焼きとビビンバと」
「せめて二品じゃないかしらメイン料理は」
「なんだよケチくせーな」
「黙りなさい!」
「ぐはぁっ!」

「ルーシィすごいね…ハリセンとか懐かしいね…」
「あれバルゴのじゃねえの…?」
「どこに持ってたんだろうね?」
ルーシィのツッコミはツッコミの意気を越えてるけど本人がそうと気付かないのはある意味すげぇよな。

「わかったよ、じゃあハンバーグだけでいいよ」
顔のところどころが少し腫れながらふてくされたナツはハンバーグに絞った。
いや、いいチョイスすんじゃねーかナツも。ルーシィのハンバーグは食べたいだろ。

「あんたたちは?ハンバーグでいいの?」
「刺身も追加してほしいな」
「はいはい、遠慮って言うものがないのねこの猫ちゃんは」
「俺はハンバーグでいいぞ」
「うん、グレイは偉いねー」
「俺何歳児扱いだよ」
「はい、よしよーし」
「だから俺何歳児なんだよ」
「服を着ろ変態」
「うおっ!」

結局何歳だと思われているのか、無意識に服を脱いだことによりはぐらかされた。
ハンバーグと刺身にメニューを決めたルーシィはナツ宅の冷蔵庫を確認しはじめた。

「何これ…なんで薪が冷蔵庫に…?」
「火食えればいーからな。釣りとかいくから魚には困んねぇし、基本飯はギルドで食べるし」
「はぁ…しょうがないわね。材料買いに行こうかしら」
「買い物か!?俺も行く!」
「オイラも行くよ」
「じゃあ俺も行く」
「い…いいわよ別に…皆でいくことないし」
「じゃ、俺だけ行くからお前等留守番してろよ」
「なんでナツだけなのさ!オイラも行くよ!」
「ナツとハッピーが行くのに俺だけ居残りはないだろ」
「振り出しに戻ったんですけど…」

ぎゃあぎゃあと誰がルーシィと買い物に行くのか争ってい時だった。

「やぁルーシィ、喚んだかい?」
「ロキ…この面倒なときに誰があんたを喚ぶのよ」

なんか一人増えやがった…
本当に面倒なときにこいつ…!ロキは周りをキョロキョロ見て確認しはじめた。

「何これ、誰の家?」
「俺たちの家だ」
「?、何でナツの家にルーシィがいるの?」
「今日からルーシィ俺ん家で暮らすんだ」
「え、どういうことルーシィ、なんで!?」
「紛らわしい言い方をするなぁぁぁあっ!」

ナツに回し蹴りを加えてナツがくたばっている間にルーシィは誤解を解きはじめ
た。

「そっか、そーだよね。僕のルーシィがそんなことするはず…」
「誰があんたのだって!?」
後ろから抱き着いてきたロキに顔面に裏拳を決めたせいで、サングラスはレンズにひびがはいった。
「甘いねルーシィ。代えくらい用意してるよ」
「…全部潰した方がいいのかしら?」
「はは…冗談はやめとこう、ルーシィ。じゃ、買い物行こうか」
「なんであんたと行くことになってるわけ!?」
「大丈夫、荷物は全部持つから」
「待てよロキ、行くのは俺だ!」

回し蹴りから復活したナツ、俺、ハッピーはまた買い物の付き添いを今度はロキも加えて争いを続けた。
結果、

「あたしが決めるの!?」

ルーシィに決めて貰うことになった。

「俺だよなルーシィ!俺ん家にいる訳だし!」
「オイラならナツたちみたいに五月蝿くないよ!」
「俺はどんだけ時間かかっても待つぞ」
「僕ならルーシィのこと守って見せるよ」

それぞれがアピールを済ませた後、結構早くルーシィは結論を出した。

「バルゴと行く!」


「バルゴならあんた達みたいに色々言わないし、誰か一人に決めたら後でうるさそうだし」

「じゃあ僕ルーシィのハンバーグ食べられないの!?」
「作ったら喚んであげるから、ね」
「そんな…」
「はいはい、強制閉門――」

ロキは最後に「絶対だよ」と叫んで消えて逝った。

「開け、処女宮の扉!」

「お呼びでしょうか、姫」
「うん、ちょっとね」

バルゴに喚んだ経緯を説明し終えたルーシィは、仲良くしてるのよと言い残して出かけて行った。
まさかバルゴに獲られるとは予想もしてなかった。

*-*-*-*-*-*

「ただいまぁ」
「おかえりルーシィ、早かったね」
「思ったより早く買えちゃった。でも全然負けてくれないのよ、こんなに可愛い女の子がまけてって言ってるのに」
「可愛いって自分で言うのかよ…」
「何よナツ、文句あるの?」
「別にねーよ。ルーシィが可愛いのは本当だからな」
「な…、ななな何よ!!何企んでるわけ!?」
「なんも企んでねーって」

あー、ぶっとばしてぇ。天然ってこういうとこで便利なのか。まじぶっとばしてぇ。

「じゃ、一時間くらいあれば作れるから待っててね。バルゴ、付き合ってくれてありがと」
「いえ、姫のお役に立てたのなら。では」
「本当にありがとね」

優しい笑みをバルゴに向け、その笑みに満足したような表情でバルゴは帰っていった。
ルーシィが星霊に向ける優しい笑顔は、星霊どころか俺たちまでも見とれてしまう。

「ルーシィ、オイラ手伝ってあげるよ」
「あらそう?じゃあお肉こねてくれる?」
「あい!任せてよ」
「ありがとハッピー、ちゃんとお刺身用の魚も買ってきたからね」
「うん、オイラも頑張るよ!」
「こね終わったら教えてねー」

ハッピーってずりぃよな。小さいから特に邪魔になることも無いわけだ。しばらくして隣で座ってるナツもハッピーを見て羨んでいるのかなんなのか、俺も手伝う、と手を挙げた。
ナツも手伝うなら俺が手伝わない訳にはいかないだろ。

「うーん…じゃあハッピーもこね終わって種ができたし、ハンバーグの形作ってもらおうかしら。これならみんなでできるし」
「おう、任せろ!で、どーやってやるんだ?」
「こう、空気を抜く感じ。キャッチボールするみたいにね」
「オッケー!じゃぁ行くぞハッピー!」
「あい!いいよ、ナツ!」
「ちょ、ちょっと待って、あんた達何する…」

ルーシィが言いかけた時、既にナツは投球動作に入っていた。ハッピーの体にハンバーグが結構な早さで向かっていく。

「うぱ!いい球だね!」
「何やってんのよあんたらぁぁああ!!」
「何って…空気ぬいてんだろ?」
「違うわよ!!そんなことしたらほら、空気抜くどころか跡形も残らないじゃない!!キャッチボールっていうのはそう言う事じゃなくて…」
「あぁ、なるほどな!オッケーオッケー」
「はぁ…なんか疲れるわ…」
「ナツにやらせたらそうなるにきまッてんだろ」
「でもまさか形作るだけでこんな事になるなんて思ってないわよ」
「まぁ…」

なんだかんだやってるうちに形作りは終わり、ルーシィはハンバーグを焼いている間に魚をさばき始めた。

「なぁ、俺もうやることないのか?」
「あんたはもう何もしないでいいから。ていうか魚さばくのに何人もいらないわよ」
「ふーん…」
「あっハッピー!!つまみ食いしないでよちょっと!!もうすぐできるから!」
「魚は誰がさばいても味同じだからいいよね」
「…どういう意味なのかしらそれ」
「おいしいよってことだよ」
「なんかそうは聞こえなかったけど!!」

「おい、ハンバーグ…」
「あっ!ナイスグレイ!危なかった…でも良い感じに焼けたわー」
「もうできた、ルーシィ?」
「ロキ…あんたって本当タイミングよくでてくるのね…」
「うん、なんかルーシィの手作りハンバーグが僕を呼んだんだ」
「あっそ…まぁいいわ、食べましょ」

食事の用意を終えたルーシィはハッピーを使ってフォークやらなにやらをテーブルに起き始めた。ナツはハンバーグがくるのを座って待っていて、ロキはなんか必死でルーシィに自分が来たのはハンバーグがどーたらこーたらって説明してる。

「手伝うぞ」
「あっ、ありがとグレイ。こういうときはやっぱりグレイが頼りになるわよねー。あの2人より」
「いや、別に…」

ルーシィに笑顔でそんなことを言われて嬉しくない男がいるだろうか。うん。
照れるに決まってるだろ。
なんか色々考えながら皿に載ったハンバーグを運んだ。

「「「「いただきまーす」」」」

律儀にも全員で一斉にいただきますをした後、ナツはすぐさまハンバーグをかき込んだ。

「うはっ!うめぇなこれ!」
「そう?なら良かったけど。でもおかわりないからね」
「ならちゃんと味わってくわねーとな」
「そうねー、ちゃんとゆっくり食べてよ」
「うん、うめぇ。ルーシィって料理うめーんだな」
「一人暮らしだもの。それくらいできなきゃ暮らせないわよ」
「オイラ的にはルーシィの料理はみんな食べた瞬間真っ青、みたいなの予想してたけどね」
「…じゃぁ最初っからあたしの料理食べたいなんて言わないでくれるかしら?」
「僕はわかってたよ。ルーシィの料理が人一倍おいしいってことぐらいね」
「あーはいはいありがと…で、何してんの?何で一口食べただけで進んでないわけ?」
「いやー、ルーシィに食べさせて貰おうかなって思って」
「絶対やらない」
「また、そんなこと言わずに、ね?」
「だからやらないって」
「じゃあ俺には?俺にはしてくれんだろ?」
「何でそーなるのよ!!」
「じゃ、オイラには?」
「やらないってばー!」
「…俺は?」
「…何でグレイまで…」
「しょうがない…どうやらルーシィが食べさせてくれるのは一人だけみたいだ」
「ちょっとロキ、どういう解釈してんのよ」
「じゃ、ここはいっちょ…」
「ナツ、暴れたら許さないからね」
「じゃあやっぱりオイラで…」
「なんでそうなるのかしら」
「てことはじゃんけんだな」
「なんでそこでじゃんけん!?」
「よし、いいよ僕は。ルーシィを思う気持ちがあれば問題ないさ」
「それじゃあ行くよー、じゃーんけーん」

ハッピーのかけ声と共に俺たちは一斉に手を出した。

「…俺だ」

勝った…。なんかこう言葉では表しにくい喜びっていうかなんというか。

「くっそー!!なんでパンツが…」
「はっ、お前等がルーシィに食べさせて貰うのがまだ早いってことだな」
「そんな…ルーシィに食べさせて貰うなんてチャンス、そんなにないのに…!」
「なんかオイラはまた食べさせて貰うとき来る気がするからまぁいいや」
「何その予想。意味わかんないし」
「ん」
「何でスタンバッてんのよグレイ…」
「じゃんけんで勝ったし」
「…しょうがないなぁ…。はい、あーん」

ルーシィは流石に諦めたみたいで、俺に自分のハンバーグを分けて食べさせてくれた。
なんか自分で食うハンバーグよりも旨い気がした。

「うん、やっぱうめぇ」
「グレイ、お皿洗いお願いね」
「え」
「当然でしょ?食べさせてあげたんだし」
「…ったく、しょーがねーな」
「ふふ、ありがと、グレイ」
「あー、ずりーなグレイ」
「文句言うなナツ、俺の勝利は勝利」
「ルーシィが…僕以外の男に…」
「何いってんのよあんたは!!」

皿洗いをすることいはなったが食べさせて貰った、って事を考えたら別になんの問題もない。
それからもぎゃあぎゃあいいながら全員が食べ終えた。


■後編に続く

*-*-*-*-*-*-*-
もうコレ別の部屋に置こうかな。1話で終わらせるつもりが前後編になり、全中後編になってしまった。これ携帯のメモ帳でカチカチ打ってました。誰落ちにしよう…。ロキ出てきちゃったし…。。。ていうか後半で終わるのだろうかコレ。
ハンバーグ作るときのキャッチボールネタは某学園生活支援部漫画から。あれ笑った。
今回の話を見てるとグレイ落ちっぽいけどまだ不明です。

2010.3.30

 

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