★short story★

□だってしょうがねぇじゃねぇか
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俺はルーシィが好きだ。でもそれを口にしたことはない。誰にも言ったことはない。ミラやロキ、エルザ、他のフェアリーテイルの仲間たち。誰にも言ったことはない。
当たり前だけどナツにだって言ってない。そして、これからも誰かに言うことはない。


もちろん、ルーシィにも。





だってしょうがねぇじゃねぇか。認めたくねぇが確かに俺が、…ヘタレだったってこと。あー、自分で言うとか悲しすぎる。でも実際そうなんだ。俺の気持ちを知ってるなら、誰でもそう言う。十人中十人は言う。残念ながら誰もしらねぇけど。俺だってルーシィに言おう言おうって思ってもなんも言わなかった。ルーシィに気持ちを伝える、なんてことしなかった。しなかったし、できなかった。だってルーシィがナツを好きということを知っていた。ナツだってルーシィが好きだった。その間に入ってルーシィを奪う、なんてこと、できるわけがなかった。もし告白なんかしてしまっていたら俺は多分ルーシィを泣かせてた。ルーシィの泣き顔は見たくなかった。ナツだって多分傷つく。なんだかんだいってあいつだって弱いところあるし、リサーナとの過去だってある。ナツは俺にとってむかつくやつ、でも仲間。大事な仲間だ。仲間を傷つけるなんてこと、俺にはできねぇ。まぁぶっちゃけ俺も傷ついてんだけど、ここは俺の中にしまっとく。それが一番いいだろ?俺の中だけにしまっとけば誰が知ることもない。そう、それで万事解決。ルーシィのこともきれいさっぱりあきらめる。それくらい、男らしいことしないとちょっとあれだろ。いつまでもぐじぐじ引きずってるなんて、本当にヘタレみてぇじゃん。そう、きれーに忘れる。それで終わり。


さて、何を隠そう今おれは一人だ。騒がしい薄汚れた、人なんて見渡す限りいるギルドの中で一人。それも周りにはほとんど人がいない。もともと人がいるような場所でもないんだが一人だ。少し視線を向ければ、照れたように笑いあってるナツとルーシィ。その周りでは、やっとくっついた二人を祝うかのようにエルザたちがケーキやら何やらを持ってきてみんなで食べている。本来ならばその中に入って俺も一緒に「よかったな」なんて言ってるのかもしれないが、そんな気分になれない。当たり前っちゃあ当たり前なのかもしれない。失恋、したんだし。さっきは終わりなんて言ったけど、やっぱり好きな奴に恋人が出来たからはい終わりなんて終わり方、できるはずもない。そんなこと、最初っからわかってた。わかってたけど俺は終わりを選んだ。誰にも想いを告げることなく自分の中だけで終わることを選んだ。それが間違いだとは思わない。だってしょうがねぇじゃねぇか。そう呟いて進みだした足の向かった先は祝福すべき仲間のもとではなく、誰もいない真っ暗な外だった。


*-*-*-*-*-*-*-*
はいおーわり。グレイ悲恋。短くてさーせん。しかも台詞無し。
なんかアンケートではグレルーが一番とりそうなんでその前に悲しい思いさせてやるぜ!なんて思って書いたけどいざ書いてみるとやっぱり残念な出来になっちゃったね携帯向けなんでPCではちょっとみづらいかもです←
初めてのジャンルだったけどまぁ楽しかったっちゃ楽しかったね!←

2010.5.17

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