独立への戦火

□序章 日常の最中、散発する紛争
2ページ/2ページ


その時だった。

ドドドドドド……!!

ドカッ!ドゴゴオン!

突如、上から曳光弾の雨が大量に複数の敵機へと降り注いだ。敵機はきりもみし空中で小爆発後、更に翼に抱えたミサイルごと爆発四散した。
そして、急降下してきた機体はスロットルMIN、エアブレーキON。地上すれすれを一瞬にして半回転し、アフターバ―ナ―をたたき上昇していく。端から見ればどうってことないUタ―ンだが、その分パイロットには急激なG(重力または過負荷)が掛かる。又、相当な度胸と技量が要る。
《ふ〜、間に合ったかな?》
《まだですよ。敵はまだ残っています》
派手なアクロバットで現れた機体からパイロット達の会話が無線にて聞こえてきた。
「IFF(機体識別コ―ド)照合!フラッシュ1です!」
管制室でレーダ―監視員が叫んだ。
数瞬、間を置き次の瞬間、喜びと期待の歓声が響き渡る。イヤッホ―!とか叫ぶ者も居る。
《シヴァン・アイより管制塔へ!喜ぶのはまだ早い!》
シヴァン・アイから無線が入った。対して、即座に反応した管制官が返信する。
「こちら管制塔、シヴァン・アイ、了解した」
《OK、現在シュラウド基地上空でフラッシュ1が交戦中だが…敵が超低空侵入してくるとは思わなかった。申し訳ない。引き続き交戦継続》
「了解!」
通信終了。
そして、管制官はその旨を司令に報告した。
「STOL(短距離離着陸)機を優先して離陸し、引き続き迎撃せよ」
司令が指示を出した。
「了解。こちら管制塔、戦闘機隊STOL機を優先し離陸して下さい。フラッシュ1は引き続き迎撃せよ!」
管制官が復唱した。
《フラッシュ1、了解》
地上ではNSFの戦術特殊部隊がAAガンの弾幕を展開し、STOL機に接近させまいと援護射撃も兼ねて撃ちまくっていた。
《管制塔より地上のSTOL機隊各機へ!!第一滑走路は使用不能!!各機、第二滑走路から離陸!!》
《フラッシュ1敵3機撃破!!》
《消化班は四番倉庫の消火に当たれ!!》
管制塔や地上部隊の指揮が聞こえる中、上も下もそれぞれの役割をこなしていた。黒煙が空を上り、シュラウド基地は慌ただしい状況を見せている――――

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ