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□ペリドット
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※ふたりの子供が15歳のときのお話です。
※息子視点。



こんなことを言ったらマザコンだと思われるかもしれないが、母さんは可愛い人だ。歳はクラスメイトの母親と変わらないはずなのに、授業参観に来ると一人だけ一回りくらい若く見える。クラスメイトにもお前の母ちゃん若いなと言われるから勘違いではないようだ。以前それを和浩さんに話したら、その理由を教えてくれた。母さんは若い頃、異常に格好いい父さんの隣にいても恥ずかしくないように頑張っていたらしい。昔の写真を見たことがあるけれど、母さんは普通に可愛らしかった。そして今とあまり変わらない姿に驚いた。どれだけ努力したのだろう、母さんは本当に父さんが好きなんだと改めて思った。普段は父さんの方がべた惚れだけど。


何度も言うが、俺はマザコンではない。断じて違う。確かに母さんは好きだ。たまに煩わしく思うことはあれど、嫌いだと思ったことは一度もない。しかし、だ。俺は母さんに依存しているわけではない。俺だって思春期真っ只中。昔みたいに母さんにべったりなんてしない。けれど家にいると自然と視界に入れてしまう。母さんは強い人だと父さんから聞いた。疾斗から、母さんが父さんのファンのいじめにも耐えぬいたんだと聞いたこともある(聞いた瞬間父さんを少し恨んだのは内緒だ)。俺も芯の強い人だと思う。…しかし、如何せん母さんは鈍臭い。何かを忘れていたり、何でもないところで転んだり、慌てん坊だったり。母さんが怪我でもしたら大変だと、小さい頃からはらはらしていた。


要は放っておけないのだ。忙しい父さんの代わりに、俺が母さんを守る。いつしかそんな気持ちを持つようになっていた。


あ、母さんが踏み台に乗って棚の物を下ろそうとしている。…案の定ぐらりと後方に身体が傾く。倒れないように後ろから支えれば、母さんは笑顔でありがとうと言う。


「いつも無理すんなって言ってるだろ、それくらい俺がやる」

「でも、受験で疲れてるでしょ?」

「母さんが怪我するほうが嫌だ。母さんは俺が守るんだから」



素直な気持ちを述べれば、母さんは顔を真っ赤にする。父さんにそっくりね、なんて言うから、少し凹んだ。父さんも同じようなこと言ったりしたりしたことあるのか、そうか。

その晩、父さんと話をした。


「母さんってさ」

「…なんだ?」

「可愛い人だよな」

「……いきなりどうした」

「俺、母さんみたいな人と結婚したい」

「……………」

「…実の息子にまで嫉妬の目を向けるな…」



まぁ、つまり、だ。

俺は可愛くてドジで父さんのためなら年齢不詳にまでなってしまう母さんも、いい歳して息子にまで嫉妬するくせに格好よくて母さんが大好きな父さんも、自慢の両親だって話。…内緒だけどな。







ヒロインは老けないタイプだよ、きっと!(笑)
息子はオングストロームのメンバーと仲良し。
きっと彼らも老けないだろうから(笑)、おじさんは付けないと思う。
で、やっぱり疾斗は呼び捨て(笑)


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