去年の7月拍手の続編です。
読んでなくても分かります。
あらすじ的には、七夕の日綱吉の家に呼ばれた獄寺。
両片想いな二人は同じ願い事を書いて、笹につるした。
そしてその次の年のお話です。
では、どうぞ!
7月の上旬。
奈々は、おしいれの整理をしているうちにあるダンボールの整理に夢中になっていた。
それは思い出の品がたくさん入ったダンボールだった。
「あら、こんなのあったわねぇ…」
思い出に浸っていると、クリアファイルに入れられた2枚のほそながい紙が出てくる。
なにかしら?奈々は不思議に思ってみてみると、あぁ、とその二枚の紙のことを思い出しふふっと、笑みをこぼす。
「ただいまー」
と、そこへちょうどよく息子、綱吉が帰ってきた。
「ツー君、ツー君!」
奈々が呼ぶと、綱吉はきょろきょろしながら歩いてくる。
奈々の姿を見つけると、なに、母さんと声をかけて近づいてくる。
「ふふ、懐かしいもの見つけちゃって」
「?懐かしいもの?」
「これ」
奈々が差し出すと、綱吉は不思議そうにそれを手に取ると、んなぁ!?と叫んで、顔を赤く染めていく。
「こ、これ!なんでこんなの、とっておくんだよ!」
綱吉はクリアフェイルを抱きかかえる。
奈々はそんな息子の様子を見てふふっと微笑む。
「あら、だって二人とも仲いいのねって思ったら捨てるのももったいなくて…」
「だからって…!……え、二人とも?」
顔を赤くしていた綱吉だが奈々の言葉に首をかしげる。
「そうよー、よくみてみなさい」
言われてクリアファイルをよく見ると紙が二枚はいっている。
一枚は自分の。
じゃあ、もう一枚は?
「…これ」
「貴方たち、本当に仲がいいのねー」
奈々の言葉に綱吉は、顔を赤くしてそれから少し困ったように笑って見せた。
「今年も七夕は獄寺君を呼びましょうねー」
「…うん」
クリアファイルの中には、同じ願い事が書かれている紙が二枚。
綱吉はそのクリアファイルを大事そうに抱きしめた。