短い

□エプロンが似合わない
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久しぶりの帝都。

久しぶりの下町。

久しぶりの宿屋。

久しぶりの・・・――




やっと凛々の明星の仕事が一段落して、ザーフィアスで自由時間となった。


ユーリはここ最近忙しかったが、それなりに充実している凛々の明星の仕事に満足していた。この生活もなかなかいいものだと思っている。


今、アイツさえ目の前にいなければ


「なんでいんだよ、ザギ」


「よぉお!ユーリィィィ!!!!
帰ってくるの待ってたんだぜェ!」


ドアを開けると目の前にいたのは何度か命を狙われたことのある殺し屋のザギだった。

あいかわらずテンションが高い。


「・・・・・・なんだそれ。」


なんだか今日の彼の恰好がいつもと違う。ベルトだらけのいかにもM体質の服の上に、ヒラッヒラの 純 白 エプロンを着けていた。


「どうだ!似合うだr「似合ってねーよ」・・・・・・ヒドイ」


「待ってまって言ってたけど、いつからいんだ?」


「一週間前?」


「(こいつアホだー!!)」


心の中で叫んだ。絶叫した。


なんで一週間も前に人の部屋に勝手に入ってきてるんだ。どうりで俺の部屋が荒れているわけだ!


「いつ帰ってくるかわかんなかったんだよォ!悪いか!」


「悪いわ!!!!」


逆ギレまでしてくるザギにユーリは心底ため息をついた。


「腹減ってると思ったから飯作ったんだぜェ!!」


「・・・・・・」


ユーリは取りあえず無言でテーブルにに向かうことにした。台所ではザギが可愛いエプロンして、忙しそうに動いているが、鍋からは黒い煙に、まな板の上にはダークマター。未だ人間が認知していないもの。


俺は今から何を喰わせられるんだろうかと不安になりながらも取りあえず待ってみた。


「愛情たっぷりだぁぁ!!」


そんなもんはいらん、と言おうとしたがなんだかややこしいことになる気がしたのでここは取り合えず、無視。


目の前に鍋が置かれた


「甘いもの好きだったよな?」


「まぁ、」


何故甘いもので鍋なんだ


ツッコミたいけど、ツッコんだら負けな気がした。だからツッコまない


「蜂蜜だ!!!!!!」


これから秘奥義でも使うのだろうか、ザギは大きな元気な声で叫んで鍋の蓋を開けた。


どこが蜂蜜なんだろうか。


泥のような、塊のような、しかし生な魚が見えたり。ユーリはザギが何を作りたかったかわからなかった。蜂蜜だ、と叫んでいるのだから、それを使っている料理だろうと踏んだ。


「なんだこれ?」


「シュークリーム」


「は?」


「何度も言わせるな、ユーリ!!」


いったいぜんたい、
これのどこを見てシュークリームだと思えばいいのだろうか?と、いうより、蜂蜜は??


ユーリの開いた口は塞がらない。




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