テニプリ Short story

□ツンデレ王子の憂鬱
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謙也さん




・・・なんで気づかないんスか?














『あーあーあー!今日も放送委員会のスピードスター忍足謙也の放送始めるでー!』





昼休み弁当を食べていると、元気な声がスピーカーから流れ始めた





四天宝寺にいる人ならば誰でも知っているお昼の放送が始まったのだ





おかずを口に運ぶ手を少し止めて、大好きな謙也さんの声に耳を傾ける





謙也さんの声は丁度いい低さで、聞いているととても安心できる

俺は自然と口角があがるのを感じた





「ねーねー、忍足先輩の放送私好きー!」





「あ、うちもー!聞きやすいよね!」





そんな声が聞こえてきて、思わずそちらをチラリと見てしまった





2人組みの女子が弁当を食べながら談笑をしており、どうやら謙也さんの放送の話をしているようだ





俺は急に複雑な気分になった





「もともと忍足先輩ってかっこいいし〜」





「え、なに?もしかして忍足先輩のこと好きなん?」





「しーっ!声でかいわ!・・・そっちこそこないだテニスの練習見てかっこいいって言ってたやないか!」





「まぁね〜♪それにしてもさぁ・・・」





女子の話はまだまだ続くようだったが、俺が聞いていられずに席を立った





今は複雑な気分やない




完全に嫌な気分や・・・
































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