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□第12話
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『ただいまー』


「あ、おかえりヴィキ!」



宴会に戻ると、ゴンが明るく出迎えてくれた。

みんなも笑ってくれた…が。



『…あれ?キルアは?』


「ああ…キルアなら、向こうでダウンしてるんじゃない?」


『…えっ?キルアが!?』


「おいゴン、最初から説明しないとわかんねえだろ!」


「そっか、ごめん。あのね…」



…話によると、オレが呼び出された後にみんなで大きいペットボトルのジュースを買ったらしい。

ところがそれが思いのほかマズくて…


負けた人が一気飲み…ということでジャンケン大会をしたらしい。


そして、どうやら生贄になったのはキルア。

テーブルの上には空の2リットルサイズのペットボトルが置いてあった…。


…って、あれ?

原作にあったジャンケン必勝法ってあったけど、あれはキルアがゴンに教えたんじゃ…


まさか楽しむために必勝法を使わなかったとか?

…おちゃめだなあ、キルア。



『…ってことはキルアかなりヤバいんじゃ?』


「…うん。ヴィキ行ってあげてくれる?」



ゴンはごめんね、というように両手を合わせる。

キルア、心配だな…



『…うん、わかった。…ということでもう一回行ってきます!』


「ありがと。キルア、あっちの方向にいったはずだから…」


『おう!わかった。じゃあみんなは楽しんでて!』



そう言うとヴィキは走ってキルアがいるらしい方向へ向かう。



…キルアは原作でゴンと話していた廊下にいた。



『キルア!』


「うぇ…ヴィキっ?」


『…どんまい、と言っていいもの?』


「お、おう…」



返事を返してくれたが、明らかに気持ち悪そうなキルア。

おそるべしジュース一気飲み…。



『…大丈夫?』


「…ちょっと、ヤバい…」


『うおおっ吐くな吐くな!』



うええ…と気持ち悪そうにするキルアの背中を摩る。


…ってこれは逆効果なんだっけ!?


「あ…それいい…」


いや、大丈夫みたいだ。


…ヴィキはしばらく無言でキルアの背中を摩る。



『…あ、そうだ!バイオリンあるけど…聴く?』



どんな時でもいざという時のためにバイオリンケースを持ってます。

ほら、バイオリンが念ってバレないようにさ。



『…その、音楽って人を癒す力あるらしいじゃん!』



…オレのは「音楽」じゃなくて「念」だけどね。

こんなところで念が役立つって便利だなあ。



「ん…じゃあお願い。オレ、お前の演奏好きだし…。」



辛そうだけど、嬉しそうにへへっと笑顔を作るキルア。



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