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□第12話
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「…オレが「聴きたい」って言ったら、曲…弾いてくれるか？」
『…？うん、いいよ。』
あまりにキルアが不安そうな顔で訊いてきたので、つい反射的にOKしてしまった。
しまった、やっぱり今のは断るべきだったのだろうか。
殺されるのは、嫌だぞ…？
「…よかった…。じゃあ、また約束な！」
『う…うん。』
キルアの嬉しそうな笑みを見たら指きりをせずにいられなかった。
それにしてもオレの念のどこに魅力があるのだろうか？
昔聴かせたレオリオは、ここまで興味を示さなかったぞ。
…人によって違うのかな？
『なんでキルアはそんなにオレの演奏を聴きたがるの？』
つい気になって訊いてしまった。
「なんでだろーな…なんか、自分でも最近よくわかんねえ。
でもなんか自分が、なんつーんだ…？
求めてる、っていうか。あーもう、ホントよくわかんねえ。」
『キルア…』
これはやはり念の影響だろうか？
それとも他の何か…？
そうだと信じたい。
こんなにも自分の演奏を喜んでくれた人、初めてだもん。
求められたら、演奏してあげたい。
…「声」の言ってたことやっぱ守れそうにないや。
なんかもうどうなってもよくなってきた。
キルアに演奏を聴いてほしい。
それでキルアがいいのなら…オレも嬉しい。
まず「仲良くするな」っていうのが無理な話だよ。
もういい、無視してやる！
仲良くする！…恋愛感情入らない程度に。
「よし、なんか気遣わせて悪かったな。じゃ、戻るか。」
『ああ、気にすんなよ。…もう大丈夫か？』
「ああ、おかげさまで。」
『はは、そっか。よし、じゃ、行くか。』
「おう！」
ヴィキはキルアとともにプチ宴会に戻る。
そしてこの日、ヴィキはプチ宴会を楽しんだとさ。
「ヴィキ…」
キルアは一人、小さくつぶやく。
自分でもわからないほど、あいつのことをオレは気にしてる。
こんな気持ち、初めてだ…
『…？なんか視線を感じたような…？』
一方プチ宴会を思いっきりエンジョイ中のヴィキ。
ーーーこれが貴方の選択ですか……
そんな声が、聞こえたような気がした。
→アトガキ