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□第18話
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―――ヴィキ…



聞き覚えのある声がする。


…ああ、そうか。「天の声」、だっけ…



―――そうです。お久しぶりですね…


んーそうかな…っていうかここはどこ?



喋らないで頭の中でつぶやいてるだけなのに、天の声は返事をしてくる。


さっきオレはベッドで眠ったはずだから…これは夢?



―――貴方、ついにやってしまいましたね。


…やっぱり見てたんだ。

除き魔…



―――失敬な。ただ少し話がありましてですね…



…わかってるよ。

キルアとのこと…だろ?


オレが…恋愛は駄目って言われてたのにあんなことになったから…



―――は?



トボけんなよ。

…いいよ、もう覚悟はできてるし。



―――恋愛禁止なんて言った覚えがありませんが?



『…はっ?』



返事があまりにも拍子抜けだったので、変な声が出てしまった。


…オレはこんなにも悩んでたのに…

…まさか勘違いかよっ!!



―――確かにそれっぽいことは言ったかも知れませんけどね。

なんかそういうことで悩んでるのを見ると手助けしたくなりません?



『は?…むしろ邪魔してるようにしか思えないんだけど…』



―――恋に困難は付きものでしょう?



『………。』



…なんだ。


さんざん悩んで…この結果にたどり着いたのに。

消されてもいい覚悟はしてたのに。



―――…ほら、おちゃめな子って最近流行りでしょう?



『………。』



もう何も言えなかった。


力が抜けたっていうか…

安堵の息をつくので精一杯だった。



―――ですが残念ながら、貴方の心は完全にこの世界に来てしまいました。



急に真面目腐った声でそう言われた。

…嫌な予感。



『…え?それはどういう…』



―――元の世界の貴方は、死にました。



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