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□第22話
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使用人が扉を開けたその先には、ゴンたちの姿があった。

原作通り、執事のゴトー達とゲームをしている。



「ゴン!!」



それを見るなりキルアはゴン達の元へ走っていった。

一方、気が引けて一歩出遅れるヴィキ。



「ゴン!それにえーっとクラピカ!!リオレオ!!」


「レオリオだっつの!!」


「私達はついでか?」



すぐ向こうで繰り広げられる懐かしいやりとり。

いろいろあったせいか、長い間会っていなかったような気がする。



『…。』



今原作と同じように楽しそうに話している4人に、私なんかが入っていいのか…

一瞬だがそんな考えが頭をよぎり、入っていくタイミングを逃した。


…が。

次の瞬間、そんなマイナスな感情は全て吹き飛んでしまった。



「…ヴィキ!そこにいるんでしょ?」


『!!』



ゴトーとの別れの挨拶を終わらせ、にっと笑いながらこちらへ走り寄ってくるゴン。



「やっぱりいた!なんでそんなとこ隠れてるの。オレすごいヴィキに会いたかったんだよ?」


『…っ』



最高の笑顔でそんなこと言われて。

思わず泣き出しそうになった、けど我慢する。



「おいおいヴィキ、お前なんでこっち来ねーんだよ」


「久しぶりだな、ヴィキ」



レオリオとクラピカもどうやら気付いていたようで、こちらに歩み寄ってくる。



『え…』



みんな、怒ってない…?


戸惑いながら少し向こうにいるキルアに目を向ける。

すると頑張れ、というように少し笑ってくれた。


勇気をふりしぼって、ヴィキは頭を下げた。



『みんな…ごめん』



事情は隠さず全て説明しようと思った。


自分が違う世界に来たこと、

この世界の流れを壊さないためにわざと試験に落ちたこと…


意を決して頭を上げた、ら。



「…なんで急に謝るのさ、ヴィキ?」


『え?』



ゴン、レオリオ、クラピカの3人はみんな?マークを浮かべたような顔だった。

つられてヴィキも?な表情になる。


…あれ?

こんなはずじゃ、ないぞ?



『だって私、みんなで頑張ってきた試験を放棄してきて…』


「?」


『??』



話が上手く噛み合わない。

どうしたことだろう。


みんなそこまで根に持っていないのだろうか。



「ヴィキ、お前試験放棄どころかなにも謝ることなんかしてないだろーが」



『え?』



あの時一番怒っていたと思われたレオリオが、そんなことを言った。

…あれ?



「どうしたのヴィキ。せっかく会えたんだから早く行こうよ」


『え?』


「ゴトーさんもオレらが行くの待ってるよ!」


『う、うん』



半ば強制的に会話終了。

わけがわからないまま、ヴィキは旅立つのであった。



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