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□第5話
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「ヴィキ!!」
気が付くと、ヴィキは右の頬が物凄く腫れているレオリオの横の木に寄りかかっていた。
『クラピカ、ゴン!』
隣を見るとレオリオももう意識が戻っているようだった。
「ヴィキ!よかった…無事だったんだね…。さっきの怪我は?ちょっと見せて?」
ゴンにそう言われてヴィキは自分の左腕を見る。
『うえっ。血だらけだ…』
血は止まっているようだが、腕が乾いた血に染まって赤黒くなっている。
「…ごめん。オレが余計なことしたから…」
ゴンは本当に悲しそうな顔で言った。
でも…たしかにこの傷はゴンをかばってできた傷だけど、
ゴンがいなかったらきっとオレは今頃死んでいた…。
『ううん。ゴンのおかげで、今オレが生きてるし、怪我もこんな程度で済んだ。こっちこそ…ありがとう。』
「ほんと…?」
ゴンが不安そうな目でこちらを見る。
『ほんとだって。ほら、そんな顔するなよ。試験、頑張ろうぜ。』
そういってヴィキはガッツポーズをしようとしたが、傷が開くと怖いのでやめる。
それにしてもどうしようかな…グロッキーなこの自分の左腕。
…赤黒くなってません??もしかして腐っちゃってたりするんですかね…?
そう悩みながらヴィキは自分の腕を見つめる。
「やっぱ痛いよな…腕。ちょっと見せてみろ。」
するとレオリオがそう言ってヴィキの手を見る。
あ、そういえばレオリオって医者志望だったっけ。
『レオリオ…よければ診てくんないか?なんか赤黒いんだけど…』
そう言ってヴィキは血に染まった左腕をレオリオのほうへ出す。
「おう。たやすい御用だぜ。」
そういうとレオリオはヴィキの左腕を消毒し、包帯を巻き始めた。
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