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□第7話
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『げっ…ネテロさん…!』



正確にはおじいさん…ネテロさんが飛行船からパラシュートもなしに落ちてきた。


…ヴィキの目の前に。



「…はて?わしはおぬしのようなべっぴんさんに会った覚えはないが?」


『オッ…オレは男ですっ!!』



とっさに口からそんな言葉が出てしまった。

…いや、「しまった」わけではないか。


一応この世界では男としてみんなも接してくれてる…はずだし。


…ていうかべっぴんさんて…。



「ほっほっほ。まあそう照れなさんな。


わしがそんなべっぴんさんを男と間違えるはずがなかろう。

女のクセにそんな男装なんて勿体無い事をしおって。」



『だから…っ!!』


こっちでは“男”なんだってば…っ!


…という言葉を言う前にみんなの視線に気付く。



…試験官と試験生全員が自分を見てる。



うわ、何この視線…っ!


そう思ってたじろいだ時に、ネテロさんはメンチに話し始めた。



「メンチくん」


「はい!」



視線は一気にメンチとネテロに移る。


2人は話し始めるが、ヴィキの耳はそれを聞き流していく。



『(ヤバ…女ってバレたかな…?)』



ヴィキが心配しているのは、みんなにバレていないかどうか。



たしかこの世界に来る前に変な空間で誰かに話しかけられて…。

女ってバレたらどうかなるって言ってたよな…?


なんかもうとっくにバレてるような気がするんだよね。高確率で。

まあ一応気付かれてないと思ってるフリは続けるつもりだけど。


…っていうか最初からムリに決まってるだろ!

男になりすますとか!!


男口調は元からだけど、やっぱりまた女物の服とか着たいなぁ…。


もんもんと考えていたせいで時間が経ってしまったようで、気付くと2人の会話も終盤。



「ゆで卵。」



急に言われた意味不明なメンチの一言に思わずヴィキも一言。



『…は?』






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