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□第8話
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「…で、そういやお前さんの名前を聞いていなかったな」



ここはネテロさん専用(だと思う)の豪華な個室。

ヴィキはネテロに呼び出され、今こうして向かい合って座っているのだった。



『…ヴィキといいます。』



ゴン、キルアと探検に行こうと思ってたのに…。


ヴィキはムスッとした顔で自己紹介すると、貰ったジュースを少し飲む。



「…そうか。いい名じゃ。ところでヴィキ。

…いきなりで悪いんだが、その背負っているバイオリンを見せてくれないかの?」



ネテロはヴィキの背負っているバイオリンケースを指差して言う。



『(話ってそういうことか…)』



ヴィキはそれでこれからされるであろう話の内容を理解する。


たぶん、「お前、念が使えるだろ」とか言うんだろうなぁ。

…よかった。一番怖かったのは「お前女だろ?なぜ男装してる」って言われること。


…それにしても前にキルアにした「趣味です」っていう言い訳は苦しすぎたんじゃ…?



「…どうした?…まさか中身がないとか言うんじゃなかろうな?」


『そっそんなワケないじゃないですか!今出しますから!』



ネテロに急かされヴィキはバイオリンケースからバイオリンを取り出す…

…って言っても念で作られたやつだけどね。



『はい。これでいいですか?』



今の言葉に「もう帰りたい」という気持ちを込めてみた。

…早く解放して〜っ…



「ほう。なかなかいい形をしておるな。どこのじゃ?」



会社を訊きたいんだよな。

…痛いトコついてくるな、このおじいさん。

…うん、このバイオリンは会社で作られてないよ!…とは言えないから。



『…ヴィキコーポレーション?』



テキトーに会社を作った。

間違いじゃないぜ!オレが作ったんだもん!



「…なんじゃそりゃ。」



ネテロさん思いっきり呆れ顔。


…答えられない質問であんまりからかわないで欲しいな…。

念で作られてるって知ってるんだろ!



すごい恥をかいたヴィキ。



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