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□第8話
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「冗談じゃよ。そんな怖い顔しないでおくれ。
…お主、“念”というものを知っておるか?」
…きた、本題。
…そういえばなんでバイオリンが念で作られてるってわかったんだろ?
『…知ってます。なんで、わかったんですか?』
「…やはりそうか。
お前さんに会ってから、何かピリピリとした…落ち着けない、というんじゃろうか?
そういう気配がしたんじゃよ」
…どういう意味だろう。
それだったらヒソカの方を呼び出すのが正しいんじゃないか?
ヴィキはまたジュースを少し飲む。
「最初は44番かと思ったんじゃが…あいつではない。
わしが感じたその気配の念はもっとこう…優しく、それでいて勇ましい感じじゃった。」
落ち着けない、優しい、勇ましい…なんか矛盾してないか?
そう思ったけど口にせず、ネテロの話の続きを聞いた。
「“凝”で誰の念かも確かめてみたんじゃが…見えんかった。…その念自体はな。
だが、お主の周りにだけ物凄い量の念が見えた。
だから、もしやと思って声をかけたんじゃ。」
(“凝”…念やオーラを見ることが出来る念の技。)
『…つまり、その落ち着けなくて優しくて勇ましいその雰囲気は、念じゃないと?』
「いや、念なんじゃが…あくまでたぶん、だがの。
わしが感じた念はお前さんのオーラそのものだと思うんじゃ。」
『はぁ…。』
そんな難しく語られてもわかんないよっ!
ヴィキはジュースを全て飲み干す。
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