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□第9話
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「ボクはキミが気に入ったからね◇」


『…ホント、なんで…』


「ヴィキ…キミが欲しいんだ◆」


『え゙っ!?』



な…なに、今のは。

真面目な顔してそんな事言うなよ、ヒソカ…



「冗談だと思ってるだろ?」


『…当たり前だろっ』



自分の顔が熱くなってることを感じる。



「…ボク、そういう冗談は言わないから◇」


『……。』



…マジで…?

…あ、そうかそうか、オレの技とか力が欲しいってことだな。


…そうじゃなきゃ困る。



「(変な思い込みしてるが…まあ、いいか◆)」



ヒソカはふふ、と不気味に笑う。


…ヒソカはさっき追い払った野次馬が戻ってきたのでまたガンを飛ばす。



「…ヴィキ◇もう行っていいよ◆」


『う…うん。』



ヴィキは立ち上がる。


…結構な時間の間座っていたので腰が痛い。



『…ヒソカ。ありがとう、本当に…。

…じゃあね。』



ヴィキはバイオリンケースを肩に掛けると、ヒソカに手を振り自室に戻る。



『(…びっくりした…)』



自分のために用意された部屋で、ヴィキは体を伸ばす。


…ヒソカに、あんな事を言われるなんて。



『(…ただの天然?)』


…そう思いたい。


じゃないと、オレ…。



《機内の皆様にお知らせ致します。

天候が回復しましたので運行を再開致します》



急に放送が入る。

…それによると、明日の昼までは着かないそうだ。



『…寝ないとな…』



そう思ったけど、さっきの事で目が冴えて眠れない。


…さあ、どうしたものか。



『…散歩でもするか…』



…そんなわけでヴィキは部屋を出て廊下を歩く。


…しばらく歩いていると、自動販売機を見つける。



『お、さっきのジュース発見。』



さっきネテロさんにおごってもらったジュースと同じ種類。


ヴィキはお金を入れてそれを買う。



『ロビーで飲もうっと♪』



さっきたくさん飲んだのに…


ヴィキは嬉しそうに小走りでロビーへ向かった。



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