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□第13話
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四次試験終了から三日が経った。


ヴィキは最終試験目前だというのに緊張感がなく…

同じく緊張感のないゴンやキルアと楽しい三日間を送った。


…さて、今日はついに最終試験の日。


試験生はネテロに広い武道場のような場所に呼び出された。



「さて諸君。ゆっくり休めたかな?

ここは委員会が経営するホテルじゃが、決勝が終了するまで君達の貸し切りとなっておる」


『ついに最終試験だね…』


「ヴィキ、キルア、一緒に合格しようね!」


「ゴン、お前緊張感ないなー」


『キルアも同じだろ?』



ネテロが話し中だが、ヴィキ達は勝手に話し始める。



「…ぅおっほん!

…最終試験は1対1のトーナメント形式で行う。」



…ネテロさんに軽く睨まれた。


…ちぇっ。



「その組み合わせは…こうじゃ」



ネテロは近くにある布をかぶせられたボードに歩み寄る。


…この時はまさかこんな風になるとは思ってもいなかったのに。


ネテロはゆっくりと布をめくった。



「!!」


『…えっ?』



…まずトーナメント表を見て驚いた。


…原作では一人しか設定されていなかった敗者が二人になっていたのだ。



「このトーナメントだが、AブロックとBブロックに分かれて行ってもらう。」


『えぇっ!?』


「どうしたの、ヴィキ?」



急に驚くヴィキをゴンは不思議な顔で見つめる。


…これは驚くなという方が無理なんじゃないか?

なんたって、原作ではAブロックBブロックなんて存在してなかったから。


…ここまで原作が変わってしまうなんて…。


やっぱりオレの存在が、確実に原作を壊していってるんだ。



「クリア条件はいたって明確。

たった一勝で合格である!」



ここは変わってない。


…でも、これって…。


「つまりこのトーナメントは勝った者が次々抜けていき…

敗けた者が上に登っていくシステム!」



ネテロはあみだくじのようなトーナメント表を指差し説明する。



「この表の頂点は不合格を意味するわけだ。」



もうおわかりかな?とつけたすネテロ。


…四次試験合格者は原作と比べると一人しか増えていない。

つまり、オレが一人だけ増えているわけだ。


…だが、不合格者も一人増えている。

「声」に釘を刺されたように、オレは原作を壊してはいけない。

ということは、キャラクターの運命を変えてはいけないということだろう。


それでいてオレが合格なんかしたら、キャラクターの誰かが試験に落ちる。

つまりこれはオレが必然的に試験を落ちなければいけない…ということだ。



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