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□第14話
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『か…かっこいい…っ!!』
その時のキルアがすごくかっこよく感じて、ヴィキはつい本音を漏らす。
オレがやっても全然動かなかったのに…
やっぱりキルアってすごい。
そんな細い腕のどこにあんなものを動かせる筋肉があるんだ…。
「え//」
ヴィキの一言で力が抜けたのか、キルアは門から手を離す。
途端にバターン!!と大きい音を立てて門は閉まる。
『…ぅわっ!!キルア…?』
急に出た大きい音にヴィキは驚く。
同時にキルアの顔が少し染まっているように見えたのだが…気のせいだろう。
「い、今のなにが…っ?」
『何ってキルア…だけど…?』
まさか今なにかいけないこと言ったか?
褒めるくらいは友達同士でもしていいんじゃないか?
いや、わかんないぞ…
男友達なんて作ったことないし。
「…や、なんでもない。」
『…もしかして嫌だった?』
一応訊いてみる。
…別に気にしてないけど、これで関係が崩れたら困るじゃないか。
「そ…そんなことない!」
キルア、即答。
ちょっと照れたようにためらいながら言うキルアをヴィキは少し可愛いと思った。
『…?ならいいけど。』
照れてるだけなのか?
…っていうかそんなに照れる理由がわからない。
ゴンが「かっこいい」って言ってもこんなに照れなかったのに。
「坊ちゃま、そろそろ中に入られては…」
ヴィキとキルアのやりとりを見ていたゼブロが口を挟む。
…たしかに血まみれの服でこんなことしてたら見た目的に悪いしな。
「あ…ああ。そうする。じゃヴィキ、ついてこいよ?」
『うん。』
キルアは再度門を開ける。
うん、やっぱりかっこいいな。
…今度は思っても口には出さなかった。
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