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□第16話
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『キルア…本当によかったの…?』



片手に服のたくさん入った大きな紙袋。

そして肩にはバイオリンケースを背負ったヴィキの姿がそこにはあった。



「だからいいって言ってんだろー?

どんだけ謙虚なんだよお前!」


『うぅ…だって…服を四着も!しかもほとんどワンピースだし』



今回キルアが選んだ服のほとんどがワンピース。


スカートだと動きにくいのでズボンも一着は買ってもらったが…

ほとんどが可愛いスカートの服。


…これがキルアの趣味なのか?



「オレが着てほしいんだからいいの!

さ、他なんか見ていきたいとこあるか?」



ちなみに現在服売り場を出て、ショッピングモール内の屋外広場のような場所にいる。


一見人通りが多いように見えるが、一本向こう側の道は人が全くいない。

…なんかあんまり雰囲気よくないな…


そう思いながら歩いていると。



『…あ!楽器屋!』



楽器屋を発見。

見たところ弦楽器も置いているようだ。



「お、行くか?」


『うーん…じゃ、ちょっとだけだから待っててもらえる?』


「…オレも行こうか?」



キルアにそう言われたが、ヴィキは一人で行く気だった。


キルアが聴きたいって言ってくれたオレの演奏…

でも完璧に弾ける曲が少ない。


持っていた楽譜は全部前の世界にあるし…

今から楽譜でも買おうかな、と。


でも楽譜選びは一人でやりたい。

人を目の前で待たせてると思うとなんか嫌なんだよね。



『…と思ったがオレは今無一文なんだった!』



途中で重大なことに気付く。



「おいおい…じゃあ金渡すから買ってこいよ」



…どうやらキルアはオレが一人で行きたいことをわかってくれたようだ。



『うん…ありがと。…じゃ、遅くなるかもしれないからここで待ち合わせしない?』


「お、いいぜ。オレも買いたいものあるし。

でも…お前携帯持ってないだろ?…大丈夫か?」


『大丈夫!…じゃ2時にここでいい?』



現在1時を廻ったところだ。


このくらいで充分楽譜も選べるだろう。



「…ん、わかった。じゃあまたな!」


『うん!』



…果たしてヴィキとキルアはそれぞれ違う店に入っていく。


…これがまさかあんな結果になるとは知らずに。



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