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□第18話
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『キルアが、好きなんだよ…っ!』


「ヴィキ…!?」



勝手に口から出た言葉。想い。


一度言ったものは取り消しようがなくて。



『…うぇっ!?オレ今なんて言った!?』


「好き、って…」


『は…!?』



気づいたときには、もう抑えきれないくらいキルアが好きで。


いけない、ってわかってたけども。

それでも、つい言ってしまった。



「えっと…?それは…」


『わぁーッ!!ナシナシ!今のナシっ!』



困った顔のキルアに、必死で言い訳する。


なんてことを言ってるんだ、オレは…!



「ナシって…。っつーか、今のマジで…?」



もう恥ずかしくてキルアの顔が見れない。


ヴィキはキルアと正反対の方向を向く。

キルア、絶対まだ困った顔してる…!



「嘘じゃなかったら…すげー、嬉しい。」


『へっ!?』



そんなことを言われて恐る恐る振り返ってみると。


いつもみたいに、にっと笑ったキルア。


そんな笑顔が、すごく眩しく見えた…。



“恋愛はしない”



そんな約束で、ここに来たはず。

なのにこんなことして、いいのか…?



「ヴィキ。抱きしめて…いい?」



…駄目だよ。

いけないってわかってるのに…。



『…うん。』



止まらない。


止められない。



大好きなキルアが目の前にいて。

自分を…求めてる。


これが夢だったら…よかったのに。



恥ずかしそうに笑うキルア。


…ごめんね、こんな心情だから素直に笑えないよ…。


今だけ。

今だけでいいから。


こんなオレを許してください…。



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