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□第21話
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『…失礼しました』



Inゾルディック家。

ヴィキはほっと胸を撫で下ろし、ドアを静かに閉める。


ちなみに、今はキキョウさんの部屋を出たところだ。

…さっきキルアが言っていた、ゴン達に伝言をするためだ。


ああ、緊張した。

キルアのお母さん…毎日会うたびに緊張する。


…というのはおいといて、ゴン達に何を伝えようかすごい迷った。

なんでって、ゴン達とは試験以来会っていないから…


ゴン達はきっとオレ…じゃなく私がここにいることは知らないだろう。


私は、ゴン達の中でどういう風に思われているんだろう。

たぶん、いい印象はない。


だって最後にあった日の私は…

みんなが必死に試験を受けてきたのにあんなことをした。


そんなこともあって、正直伝言を残すかどうかも悩んだ。

ゴンは私がここにいることを知らないだろうし、それだったら隠れてしまうこともできる。


でも、私は逃げないって決めた。


ゴン達が私を嫌っていても…

せめて、笑ってありがとう、って言いたい。

そして、さよなら…って、言うんだ。


悩んだ末、結局ゴンに伝える言葉は
久しぶり、元気?
しか思いつかなかった。


もうちょっと気のきいたこと言えばよかったって後悔してるけど。

今さら悩んだって仕方ない。



『…はあ、元気出すかー!』



広い廊下で一人、叫んでみる。

…うん、元気でた。


キルアが戻ってくるまでバイオリンの練習でもしますかね。


ヴィキはよしっと気合いを入れると、自室に戻った。



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