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□第24話
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――深夜。
ふと目が覚めると、
目の前にあるのはテーブルに置いてある飲みかけのジュースとお菓子、そしてトランプ。
それに向こうのソファで寝ているレオリオ、床に寝てしまっているゴン。
クラピカも壁に寄りかかって寝息をたてている。
…そっか、あのまま電気も消さずみんなで寝ちゃったんだ。
そう思い辺りを見回すが、キルアの姿だけは見えない。
寝起きで頭が働かずしばらくボーッとしていると、隣の部屋で物音が聞こえた。
…きっとキルアが起きているんだ。
そう思い、みんなを起こさぬようそっと立ち上がり隣の部屋へ向かう。
――カチャ
静かにドアを開け入ると、そこには誰もいない。
だが、バルコニーへの扉が開いたままで白いカーテンをなびかせていた。
そのまま向かうと、足音に気付いたのか人影がふっと振り返る。
「…ヴィキ。どうした?」
『キルア』
予想通りの声に少し安心する。
『ただ、起きたらキルアがいなかったから来てみたの』
「ん、そっか」
キルアは小さく笑うと、手招きした。
星が輝く夜空を背景に笑うキルアはより一層かっこよく見える。
「おいで」
『…うん』
こんな少しの平和なやりとりに幸せを感じる。
†