Story


□雨降る日に
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傘を、忘れた。

台風のことなんかすっからかーんに忘れていて、気がついたら雨ザーザー。風も強い。この中を帰れば絶対に怒られる&風邪を引く、のダブルパンチだろう。

「うひょ〜、すげぇ風と雨だな!」

いつのまにやら、隣に田島。いつものようにラフな格好で、その手にはやはり傘はない。

「なぁ田島。傘、ねぇよな?」

「持ってないよ、だって、家あそこだし、第一、こんなに強くなるなんて知らなかったし。」

自分の家の方向を指差しながら言う。雨が風の影響を受け、バチバチと音をたてて窓ガラスの昇降口のドアに当たる。

「ん〜、でも、ちょっと風強いし雨すごいし、少し雨宿りしてから帰るよ!花井は?」

「お、なるほど。オレも少し待ってから帰るか。」

荷物を置いて段差に座る。身長差があるため、座ってもオレのほうが視線が高い。
雨の音、風の音が無ければ、音が無い、というほど静寂に包まれる。

「っくし。」

「ぷっ。風邪か?」

「んにゃ、ちげぇよ、少し寒いなって思っただけだよ。」

確かにここは昇降口。雨が降っているため、結構冷え込んでいた。

「んじゃ、こうすれば寒くねぇよ。」

二人の距離を縮め、手に手を重ね、つなぐ。

「っつか、冷たっ!こんなんなるまで我慢すんなよ、まじで風邪引くぞ?!」

「うー。なんか、花井おかーさんみたいだな!」

オレの体温が手から伝わったのか、田島の手はすぐに温かくなった。

そして、再びの静寂。
オレはただ、たたきつけるような雨をじっと見ている。
ちら、と田島を見ると同じく外をみていた。あの、まっすぐな目で。

「・・・このまま、雨が降っていれば良いのにな。」

「は?」

「そうすればさ、ずっと花井と、こうしていられるじゃん!」

オレは、つないだ手を強く握り返した。













「田島。やっぱオレ、お前のこと大好きだよ。」




「オレもに決まってんだろ、ゲンミツに!」






二人の十本の指を絡ませた。


二人が、離れていかないように。

二人が、ずっと二人でいられるように。






外を見ると、雲の切れ目から、夕陽のオレンジ色が差し込んでいた。









仝仝仝仝仝仝


甘甘になりません、どうしましょう、軍曹ぅ!

シリアスばっか読んでるからかな?そういうわけでもないと思うんだけどな・・・。


なにはともわれ、こんな最後までお付き合いいただいて光栄です!国民栄誉賞もらったとき位に嬉しいです!(もらったこと無いけどな)

これからも、悠奈の駄文に付き合ってください。


ありがとーございました!

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