Story


□ソフトクリーム
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今日はいい天気だ。雲はむくむくとした入道雲。そんな雲をみて、突然頭にひとつの物が浮かんだ。

「ソ、ソフトクリーム…。」

食べたい、なっ。
でも、ダメだろうな。まだ肌寒いから、隣に座っている阿部くんに怒られちゃう。
阿部くんから返ってきた言葉は予想とは大きく異なるものだった。

「そうだな。買いに行って一緒に食うか。」

そう言って立ち上がり、お尻を叩いて土を落としている。いつまでも座っているオレを見下ろして

「んだよ、行かねぇの??」

「え、えっと…。食べていいの??」

あきれた顔をされた。

「別に、食いたいもんを禁止したりしねぇよ。
なんか、雲見てたら、オレも食いたくなっただけ。…わりぃかよ。」

「あ…。」

同じ理由だ。阿部くんもオレと同じこと考えていたんだ。

「ウヒっ」

「なんだよ。」

「う、ううん。」

そして、ほらよ、と差し出された手をつかんで立ち上がる。
歩き始めると手は離れてしまった。けど、差し出してくれた手は、温かかった。
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