ガラクタは夜遊ぶ

□噂の赤・青・茶・迷彩に逆トリ遭遇
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『夢小説』『トリップ』『逆ハー』『嫌われ』それから…

それから、『逆トリップ』

私の携帯は人様には見せられない貸せない。文字変換をすれば上記の単語が真っ先に出てくるし、迂闊にお気に入り一覧を見られた日には軽く死ねる。最大12までしか登録出来ないキャパの狭い旧式の携帯だが、登録しているのはランキングだから不自由はない。閲覧履歴を見られたら爆死するしかない。爆死の際は、日本初の自爆者松永久秀に御教授願うしかない…。

勉強嫌いの普通の中学二年生が 何故『松永久秀』なんちゅうマニアックな数奇者の存在を知っているかなんて、答えは一つしかない。全国の女子の心を鷲掴むあのゲームしかない。
ひょっとしたら、秀久かもしれないけど、まぁ その辺はどうでもいい。女子中学生の関心事はチョビヒゲのオールバックにないんだ。同じオールバックでも 葱背負った美丈夫のが(ちょっぴり怖いけど)美味しいし、主従関係二度オイシイごちそうさまムグムグ。
主人の青い独眼竜とそのライバル赤いライダージャケットの敵味方ロミジュリでもいいし、主の為なら薄給で尽くす迷彩も捨てがたい。眺めているなら見目麗しいコイツらのがいい。

眺めているだけなら。


「……………… ないわー」


慌てて口をつぐむ。信じたくない光景が目の前に広がる。部活を終えて、何事もなく(マネージャーやってるテニス部のファンクラブによる嫌がらせと呼び出しを華麗に無視したが日常茶飯事。代わりに呼び出しにはチヨタに行ってもらった。私 悪くない)帰宅した目の前に、先程語った四人が倒れている。松永は残念ながらいない。

ああ… よく見るよ 夢小説とかで。逆トリですね 分かります。これはお世話フラグですね。分かります。

私はおもむろに携帯を取りだし、ある番号へかけた。

ピ1ピ 1ピ 0



こうして、不審なコスプレ集団は目を覚ます前に国家権力に引き取って頂いた。そりゃそーだろ。私 普通の中学二年生だっつってんじゃん。普通に学校に通って、家族と暮らし、金銭的に苦労した事こそないけどお小遣制で中学生らしく月の最後はカツカツなんだ。訳あって一人暮らしなんかしてないし、潤沢な生活費だけ出してくれる放任主義の親もいない。夢小説なんて知らないお嬢さんがする対応としては妥当だと思われますマル

願わくば、警察関係者の中にオタクで夢見勝ちな乙女(オトメン可)がいますように…




(「おぃ 牡丹 昨日狭くて汚ねぇごみ溜め擬きのお前んちに強盗が入ったらしいなぁ あ〜ん」
「(しまった… 装備をそのままにして引渡しちゃった…)あー ま〜… そうね…」
「ちゃちい豚小屋なんぞに住んでたら危ねぇだろお…(間) 俺様の家に、来い!(プロポーズ)」
「クソクソ跡部っ抜け駆けかよっ」
「あかんな〜俺らの姫さん独占したら」
「だっから家族がいるっての これだから坊っちゃま達はよおぉおっ」)



牡丹さんは氷帝の
 しかも宍戸オチ


2012 5 25
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