novel

□理不尽な身体
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「一日逃げ切れたら日給五万上げて下さい、でなきゃ俺には代償が高過ぎる」



契約期間内に辞めれば違反として桁外れな借金を背負わされる、此処に居続ければ何時かはその仕事をこなさなければいけない。


どっちに転んでも瑞季には望まない結末しか無かった。可笑しな言い分だと分かってはいたけれど、自分の貞操が掛かっている。逃げ切り必要な金額を契約満了期日にまで貯めて、此処を早々と去ればいいと瑞季は考えていた。



昨日は不意をつかれたから逃げれなかった。この屋敷なら常に気を配れば対処は出来る筈だと、変な確信があったのだ。



「へぇ、お前の価値は五万か。なら一発ヤらせれば十万出してやるぞ」

「…っな、…!?」

「ふ、…お前からねだるその日まで逃げてみろ。ただし、俺は神出鬼没だ、忘れるな」



勝ち誇る笑みにさっきまでの自信が揺らいでしまいそうになる。それを奮い起たせ、キッと主を睨み据えた。



「お前が女ならヤッてやる!!俺は男なんか興味無いんだからな!!忘れんなよっ!!」




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