「という訳で、第一回僕会議を始めたいと思います♪僕達、今日は集まってくれてありがとー!」
大きな円卓に座っているのは、全員白蘭。
様々なパラレルワールドから収集を掛けられた、とりあえず白蘭である。
「今日は君達から色んな情報を集めて、僕の世界で新世界の神になる方法を研究したいと思います!」
「へー、君が僕達の中で唯一新世界を創造出来るかもしれない僕か。羨ましいなぁ♪」
神を目指している白蘭に向かって、一番近くに座っていた白蘭が満面の笑みに明るい声で言った。
言われた白蘭が、思わず笑顔を崩して表情をヒクヒクさせる。
「とか言いつつ、全然羨ましそうじゃないんだけど、君」
そんな白蘭に、白蘭は更に暢気な声色でヘラヘラと笑った。
「あは、まぁ僕は世界は手に入らなかったんだけどさ、この通り。代わりに綱吉クン手に入れたからまぁいいかなぁ〜って♪」
白蘭がおいでおいでと手を振ると、扉がいきなりバァン!と開かれ。
まさかの綱吉が飛び込んできた。
びゃくらーん!と嬉しそうにその名を呼びながら。
そしてそれを皮切りに、隠れていたらしい綱吉達が、次々と自分の白蘭に向かって駆け込んでくる。
新世界を作れなかった白蘭達にとって、トゥリニセッテや世界征服など最早どうでも良いもので。
残ったのは、愛する綱吉の存在だけで。
彼らは綱吉と楽しい毎日を送ることに夢中な、ただのツナ充になっていたのである。
「あー!君の綱吉クンが着てる服可愛いー!どこで買ったの?」
「えへへ、これ?オーダーメイドでーす♪でも君の綱吉クンの髪もすっごくキュートじゃん!どこの美容室?」
「あはっ、これー?これはね〜…」
まるでどこぞの女子高生のような会話である。
それぞれの好みにカスタムした綱吉を膝に乗せ、頭を撫で、頬擦りしたりひたすらキスしてみたり。
第一回白蘭会議は、いつのまにか僕の愛する綱吉クン情報交換の会へと変化していた。
会場は大盛り上がりの大盛況。
ただ一人を残して。
新世界を手に入れるために、まだ綱吉を手に入れられていない、この会議の主催者だったはずの白蘭。
一人ポツンと取り残された白蘭は、何かにプルプルと震える拳を握り締め、叫んだ。
「ツナ充爆発しろ!!!」
その目が涙で潤んでいたことなど、言うまでもない。
おわり!
そうです。
白蘭さんに「リア充爆発しろ!」って言わせたかっただけです。