「ちょ…エンマ君!」
体育の授業が終わってすぐ。
綱吉は炎真に腕を掴まれて、どこかに引っ張られていた。
どこへ行くのか聞いても、炎真は答えない。
ただ黙々と、どこかへ向かって歩いていく。
「え…ここ…えええ!?」
そして着いた場所は、トイレだった。
個室に押しこまれたかと思えば、炎真まで入って来て鍵をかけてしまう。
あまりの狭さに、綱吉は思わず便器に尻餅を付いてしまった。
「エンマく…
「ツナ君」
炎真が、ひどく真面目な表情で見つめてくる。
声も真剣そのもので。
こんな場所で一体何を言われるのかと、綱吉はゴクンと喉を鳴らした。
「ずっと、言おうと思ってたんだけど」
「う、うん」
一度視線を外してから、またじっと綱吉を見つめて。
炎真の唇が開かれる。
「ずっと、たってる…」
炎真の視線が移動した。
綱吉の胸元に。
体操着の上からでもわかる、ふたつの突起。
「な、ななななな…!」
一瞬にして、綱吉の顔が真っ赤に染まった。
まさか、炎真がそんなことを指摘してくるだなんて。
しかもずっとそんな状態だったらしい自分が、恥ずかしくてたまらない。
「ずっと気になってた…」
「きききき気にしなくていいよ!そんなこと!」
「だって」
「ん…っ!」
ビクリ、と綱吉の体が震える。
体操着の上から。
炎真の指に小さな突起を摘まれていた。
「みんなに見られちゃう」
そのままきゅ、きゅと力を入れて絞られる。
そうして完璧に硬くなったものを、ぴんぴんと指で小刻みに弾かれて。
胸から全身にぴりぴりとした電流が走って、腰が浮く。
「だ、め…エンマ、く…」
「だめ?」
乳首の表面をスリスリと指の腹で擦りながら、綱吉に短く唇を重ねた。
ダメだと思っているのに、炎真に少しずつリミッターを外されて我慢が利かなくなってくる。
気付けば、炎真に腕を回してしっかりと抱きついていた。
「ん…ん…っ」
舌の熱さを交換しながら、クニュクニュと硬い芯をつぶされる。
ぎゅ、ぎゅと優しく強く引っ張られて、コリコリと捻られて。
気持ちいい。体が熱くなる。
でも熱くなれば成る程、物足りない。
「エンマ、く、ん…っ」
荒い吐息に混ぜて名前を呼んだ。
縋るように見つめた。
だけど炎真はただじっと、綱吉を見つめ返すだけ。
綱吉の乳首を、丁寧に弄りながら。
けれどそれは全部、上着の上からで。
じれったさが、気持ち良さに勝ってしまう。
「……もっと、触って…っ」
炎真にしがみついて、震える声。
恥ずかしくてたまらなかったけど、それ以上に、もっと欲しいと思った。
もう我慢は出来なかった。
「…いいの?」
互いの額と額をそっと重ねて、至近距離。
綱吉が小さく頷くと、炎真に小さく笑みが浮かぶ。
そしてそれはそのままキスに変わった。
「じゃあ、次は授業出れないね」
体操着の下から入り込んでくる炎真の体温。
それに直接、触れられて。
待ち望んでいた快感に綱吉は小さく声を上げた。
チャイムの音など、もう二人には聞こえない。
これで乳首責めとは片腹痛いわ!
と白蘭さんが怒っています。