気持ち悪い白蘭さんのハイテンション小話。
Dさんの出番一瞬。
桔梗さんが可哀想で。

Dさんの台詞がアニメに沿ってない点は許して下さい(一言だけだけど)












「白蘭様!起きて下さい白蘭様!」
「いーやーだー」

桔梗の必死の説得も虚しく、ソファーの上ですっぽりと毛布の中に隠れたまま、白蘭は足をバタバタさせた。
いくら白蘭信者の桔梗といえど、これには流石に表情を強張らせることしか出来ない。

今日は平和な休日でも何でもないのだ。
ボンゴレとの最終決戦を迎えようとしている、緊張感溢れる日々であるはずなのに。
白蘭があんなに願っていた新世界が、もうそこにあるはずなのに。

その世界の神になるべきはずの男の現在がこれだとは、実に信じがたい事実だ。

「白蘭様!」
「…桔梗クン。わかってるの?」

ピタリと動きを止めた白蘭の声が、毛布の中から篭って聞こえてくる。

「何がでしょうか、白蘭様」
「今この世界に、僕の綱吉クンがいないんだよ?」

布団からずるずると顔だけを出し、白蘭が呟いた。
何故か力の入った声色で。

「ねぇ信じられる?僕と同じ時間内に…僕の可愛い綱吉クンがいないんだよ…?」

青ざめて、本当に信じられない!という表情をしている。
崇拝すべき悪魔、新世界の神が。
布団にまるまって。
桔梗としては、その事実が信じられない。

「綱吉クンに恥ずかしいこと言っていじめることも…綱吉クンに恥ずかしいことしていじめることも出来ないんだよ!?」

それはつまりどちらも同じことです!
という無粋なツッコミをしている場合ではないようだ。
白蘭の体が何故かフルフルと震えだしている。

「そんなこと信じられない!地獄だ…ここは地獄なんだよ桔梗クン!」
「お、落ち着いて下さい白蘭様!」
「綱吉クンのすぐにコリコリしちゃう可愛い乳首ちゅーちゅーして赤ちゃんみたいにちっちゃくて可愛いお○んちんペロペロして女の子のあれみたいに可愛いあそこにハメハメ出来ないなんて地獄だ!ここは地獄に決まってる!僕はいつの間にか地獄に落とされたんだーーーー!」
「ト、トリカブトーー!一刻も早くボンゴレを見つけなさい!白蘭様がもう限界です!私の崇拝すべき悪魔があああ!お願いですからもうこれ以上口を開かないで下さい白蘭様ーー!」

桔梗の絶叫に、トリカブトが慌てて飛んでくる。
霧属性のよくわからないすごい力で綱吉達をキャッチすることが出来たようだ。

「白蘭様!トリカブトがついにボンゴレを…
「つ、綱吉クンっ!?どこどこ僕の綱吉クン!」
「あーーーーっ!」

桔梗が絶叫してバッターン!と床に倒れて泡を吹いた。
毛布から飛び出してきた崇拝すべき悪魔が全裸の上にまさかの完勃ちだったのだから、無理もない。

「綱吉クン!」

またまた桔梗を華麗にスルーして、トリカブトが壁に映し出した映像に白蘭が飛びついた。
紛れもない、本物の綱吉がそこに映っている。
幻影で無理やり作らせたり、コスプレさせて声真似させた偽者の綱吉じゃない。
白蘭の愛する綱吉がそこに。
実に三日ぶりの綱吉。
光悦とした表情の白蘭の右手が、自然と足の間に導かれていく。

「やっぱり可愛いよ僕の綱吉く…

とりあえずこのまま一回出しちゃおうかな♪
なんて思っていた矢先。


『私の理想通りのボスになってもらいますよ、沢田綱吉。…もちろん、個人指導でね』


吐き気を催すねっとりした声と台詞。
寒気を感じさせる服装と髪型。
綱吉を見つめる、熱い視線。
思い出したくもない誰かにそっくりだけれど、何かが違う誰かが綱吉の前に立っていた。

「な、なんでだ…?」

全裸で完勃ちの男が、それを見ていきなり真面目な顔をする。
画面の怪しい男を見つめたまま、白蘭は呟いた。


「激しい親近感が沸いてすごく気持ちが悪い!」


完!

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