SS2

□大掃除
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カズヒラ・ミラーがボスであるスネークにサウナ掃除を命じられてしばらくたった。
本来副司令である彼がやるような仕事ではないのだが、女性関係のだらしなさから罰として命じられたのだった。
毎度恒例になりつつある昼下がり。
真っ白のTシャツに下は極細ビキニ。
さらにその上から青い防水エプロン。
少しだけ長い後ろ髪は邪魔にならないよう結わえてある。
最初の頃こそ「なんですか、その格好!?」と引かれたが今は慣れたのか騒ぐものもいなくなった。
(実際はTシャツからチラ見えするビキニに興奮しているものも多数いるのだが、本人は気づいていない)
いつもは一時間ほどで終わらせるのだが、今日のカズは気合が違う。
何故なら年末だからだ。
スネークは何故?という顔をしたが、日本人気質の色濃く残るカズにとってはやはりここはけじめとしていつもよりも綺麗にしなければと思う。
「そうですね!新年に綺麗な風呂に入ると気持ちも引き締まるかもしれません!」と同意してくれた有志が同じくTシャツに海パンでスタンバイ済みだ。
「よし!徹底的に掃除するぞ!」
各自デッキブラシを構える。
ゴシゴシ、ガシガシ、ザッザッ!
「お前ら!腰がはいってないぞ!」
「ふ、副司令!お手本お願いします」
「何?お手本だと?」
「ハイ!お願いします!」
すっかり掃除にテンションが上がっているカズはよぅし!とブラシを構えなおした。
「いいか!よぅく見てろよぅ?」
「ハイ!」
足をぐっと踏ん張りデッキブラシに力を込める。
Tシャツは捲れ上がり、突き出された尻はすっかり露になっている。
体温はあがりそこから伸びる白い足は薄っすら赤く染まっている。
「ここでしっかり足を踏ん張らないから腕にも力が入らないんだ。わかったか?」
「ハイ!しっかり拝みました!」
何故か全員背後に回っている隊員たちを不思議に思いながらもどうだ!とばかりにカズが振り返る。
「わかったならさっさとお前らもやれ」
「はーい」
上機嫌で散っていく隊員たち。
しかしやる気の出た隊員たちのおかげで風呂のタイルもサウナの床も綺麗になっていく。
しかし密閉されたサウナで掃除をしていたカズは、すっかり汗だくになってしまった。
「あ〜…もう防水エプロン全然役になってねぇな」
防水エプロンは意外と蒸れる。
「あっつ〜…」
ペロリとエプロンを取るとすっかりTシャツは汗で濡れそぼってしまっていた。
つまり乳首が丸見えである。
よく酔うと脱ぐし、風呂でも見ているが濡れたTシャツ越しに見えると妙にエロいのは何故だろうか…と思わず隊員たちがガン見。
「うへぇ、べとべとだし……」
そう言いつつも、脱ぐのも面倒だしとカズはそのまま掃除を続ける。
「あ、掃除終わったら一番風呂入ろうな。お前らも汗でベトベトだろう?」
「はい!いろんなところがベトベトです!」
「さて、あとは仕上げに洗い流して終わりだな!」
すっかりキレイになった風呂にみんな満足した顔をする。
さらに淡く染まり汗でほつれ髪がはりつくうなじを眺めさらに隊員たちは満足した。
眼福!
さらにこのあと一緒にお風呂!
隊員たちはわくわくと風呂に湯を張った。
手の空いている隊員は、「おつかれさまでした!」とカズの背中をバスタオルで拭った。
「ミラーさん!風呂わきました!」
「お、ほんとか?じゃあ入ろうか」
俺たちの貸切!と喜び勇んで風呂場に戻った隊員たち……だったが慌てて敬礼することとなった。
「ぼ、ボス!?」
「お、スネークもきてたのか、早いな」
「あぁ、せっかくお前らががんばって綺麗にしてくれた風呂だからな」
何故?いつのまに?とカズを無言で見やる隊員たち。
「ん?あぁさっき無線で呼んどいたんだ。やっぱりここの主であるボスに一番に入ってもらいたいだろ?」
「そ、そうですね……」
「まぁそう固くなるな。お前らも頑張ったんだから一緒に入ろうぜ!」
いつもであるなら気さくなボスやカズと一緒に風呂に入るのは楽しかったであろう。
しかし……妙にボスの目が怖い気がするのは気のせいだろうか……。
「どうだ?綺麗になっただろう?」
「あぁ、気持ちがいいな。お前が頑張ってくれたおかげだ」
「俺だけじゃないさ、こいつらも頑張ってくれた!」
「……そうだな。じゃあ労って俺が背中でも流してやろうか」
「あぁそれはいいな!な?お前ら」
ぶるぶるぶる。
「え、遠慮しときます!お、俺たちは汗さえ流せば、い、いいんで!お二人ゆっくり浸かってください!」
「え?」
「あいつらがそういってくれるならいいじゃないか。二人でゆっくり入れば」
「ん?……うん……」
隊員たちが慌てて出て行った理由は分からないが、疲れきっていたカズはまぁいいかと考えるのを放棄した。





オチはない。

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