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□デート(スネカズ編)
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突然カズが夕日を見に行こうなどと言い出した。
午前中はいつもと変わらなかったけれど何かあったのだろうか?
そういえばたまに思い詰めたような顔をしている時がある。
何かマザーベース内では話せないことでもあるのだろうか。
しかも一緒にベースを出ればいいだろうに何故か一人で先に行ってしまった。
ますますもって心配になってきた。
とりあえず、ただ海岸にいくだけなら暑苦しい野戦服でなくてもいいだろうと適当にTシャツを着てカズの待つ場所に向かった。



「すまん、カズ。待たせたな」
「あぁ、待ってたぜ」
赤い夕日に照らされた横顔。
改めて思うがこうして黙って立っていると本当に絵になる男だ。
こんな殺伐とした世界じゃなくもっと華やかな相応しい世界があったんじゃないだろうか。
しかし戦場でなければ、この男が生きられないのも知っていた。



「何があった?」
「え?何もないけど」
「本当か?」
「夕日見に来ただけだろ」
「……言え」
「……なんか尋問みたいになってない?」
「…………」
「本当になんでもないって……もしかして……心配させちゃった?」
「……あぁ」
「あれれ……そいつは悪かった。
ちょっとセンチメンタルになってたかな。
それに。
今やすっかり大所帯になっちまってなかなか以前のように二人で話せなかったろう?
いい機会かと思ってな」
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