SS3

□そこまでしなくていい
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そろそろ日付も変わろうかという時刻。
シャワーも浴びて、着替えて(どちらもしてもらったが正しいが)
さぁもうお互い寝るだけ…だというのに、マングースが部屋を出て行かずに何か言いたそうにしている。
「なんだ?」
「気になってたんですけど……溜まってますよね?」
「……何が?」
本気で最初は意味が分からず、数秒マングースの顔を眺めていた……が、ようやくその意味に気付き枕を投げつけた。
しかし利き手ではない左手では大したダメージは与えられなかった。
「バカにしてるのか?」
「いえ、本気で気になっただけです。処理出来てるのかなーと」
「……やればできる。多分」
「じゃあ試してないんでしょ?溜まってますよね?」
「問題ない」
「……うーん。やっときましょうか」
「……念のため聞くが何をだ?」
「手で」
「……はぁ、今そんな気分じゃない」
何を思ってそんなことを言い出したのかは知らないが、本当に要らぬ世話だ。
下品な冗談を言い合えるくらいの仲ではあるが、そこまで世話になりたくない。
「でもスッキリすれば寝れるかも知れないじゃないですか」
「いいってば」
本気で拒否しているのに、何故か全く聞く気のないマングースはベッドに勝手に乗り上げると、座っている俺の背後に回ってきた。
「大丈夫だって!」
上半身をひねって、肩を押してみるが当然びくともしない。
当然聞く耳持たないマングースはすでに俺のパンツに手をかけている。
「ちょ、本気か?」
「まぁ自分のモノこすってると思えばなんてことないですよ」
「お前がなんともなくても俺は気にする」
「まぁまぁ女の子にやってもらってると思えば」
「なら女がいい!」
「今うちの部隊ほとんどいませんよ、まだ」
「なら女買いに行く」
「そんな身体で?」
ぐっ……。
このマザーベース内でなら一人で行動も出来るが、さすがに外に出るとなれば護衛をつけなければいけない。
女買いに行くから護衛しろとは……プライドから言えない。
そうこう悩んでいるうちに、いつの間にかすっかり下着が下ろされ握り込まれてしまった。
「あれ、勃ち悪いですね」
「だから……ほんとにそんな気分じゃなかったんだって……」
第一部下兼友人のような人間に握られたって、そっちが気になって感じようもない。
そうは言っても、同じ男同士だからピンポイントをいじられて、ゆるゆるとだが反応してくる。
そうなると、中途半端がかえってイライラしてむずむずするため、思わず腰をもぞもぞさせた。
「あ、よかった。ちょっと反応してきましたね!」
何がよかったんだろうと思いつつも、ここまでくればさっさとスッキリさせてしまいたい。
させてしまいたいのに、微妙に反応が悪く、イキたいのにイケないもどかしさで、後ろのマングースに肘鉄を食らわせる。
「あぁもう!やだこれイケねぇ!」
「はいはい、じゃあちょっと本気出しますよっと」
なんだ、焦らしてたのか、何様だコノヤロウと思いつく限りの罵声を脳内で浴びせる。
多分いろいろと複雑な思い故の八つ当たりだ。
しかしだんだんスパークしてきてイケそうな感じがする。
これはこっちに集中しないと、と目をつぶる。
きゅうっと下腹部に力を込めると、自然に腰が浮いて熱が集まるのが分かる。
不安定な体勢を、マングースの肩に頭をあずけることで、保つ。
「んんんっ」
ひと際強く握った手をぱっと離されたのと同時に、精液が放たれた。
「ふはっ…」
諸々の理由で久しくなかった射精に疲れ、ぐったりと後ろの身体にもたれかかると「お疲れさま」と言われた。
それはどういう意味だ、とか言いたい物の、しゃべるのも面倒だ。
ぼんやりとマングースが後処理するのを眺めた。

「まぁ女のほうがいいんでしょうけどベースに商売女呼ぶわけにもいかないですからね。
ねんごろな彼女出来るまでは、俺が処理してあげますよ」

さっきまでそんな気持ちはとんとなかったのに、今切実に女欲しい。

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