□突然に
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「サイ…何かで聞いたことがある。確か150年前にクールークと戦い勝利を収めた英雄」
「英雄って、大げさな…」
「いいえ、あのクールークを壊滅させたのだから。処で話って?」


「実はオデッサさんに折り入ってお話が………」












昨日の出来事から今日に戻り。

ティル達はビクトールに連れられ、解放軍アジトに来ていた。
目の前には解放軍の人達と、そのリーダーオデッサがいた。



この子がサイの言っていたティルね…



「はじめましてティル、私は解放軍リーダーオデッサ・シルバーバーグよ」
「はじめまして…」
「実はあなたにある男から伝言を預かっているの」


またある男だ。
心当たりはまったくない。
誰なんだ?テッドじゃないとすると…


「言っていいかしら?」
「あ、はいどうぞ」

オデッサは目を瞑り、伝言を思い出しながら口にしていく。

『はじめましてティル、君が俺の事を知らないだろう。でもいつか出会うことになるから今は名乗れないが。ティル、もう帝国に戻るのはやめておいた方がいい。君は解放軍に身を置くといい。その目で見て、聞いて、触れて…そうすれば帝国が何をしてきたか良くわかるはずだ。だから今は帝国に戻ろうとするな。』

話終わりオデッサは目を開けた。

「これが伝言よ、それであなたは伝言通りに解放軍に身を置くの?」
「…………そうさせて頂けますか?」
「坊ちゃん!」

止めさせようとしたグレミオにクレオは肩を掴む。それを見てグレミオも言うのを止めた。

「あっと、ごめんなさい。もう1つ伝言があったの」

ティルはこれ以上にどんな伝言があるのか想像が出来なかった。

『最後に…テッドはまだ無事だから』

正直驚いた。
この『彼』はテッドを知っている。
それにテッドが無事だなんて…

急に体が動く。足は解放軍アジトを出ようとしていた。

「どこへ行くの?」

進んでいた足がピタッと止まる。声がする方を見るとオデッサがこっちを見ていた。

「テッド君を助けるのはまだ後よ」
「……すみません」

オデッサは優しくティルを宥める。

「テッド君を助けるのもそうだけど、帝国と戦うにもこちらは戦力不足。だから今から私と一緒にある村まで行ってほしいの」





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