□テッド
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会いたかった。
サイ、彼にあって聞きたいことがたくさんある。
特に、テッドの事を…

「ではルック、サイ後は頼みます」

レックナートは姿を消す。

「じゃあ僕は好きにさせてもらうよ」
「ルックはいつもそうだな、まぁいいよ。僕は…」

サイはティルの方をじっと見た。

「また夜にでも話をしようか。今は今後の事を話しておいた方がいいよ」

そう言い、サイは部屋を去る。

「ティル殿、今の方は?」
「僕の親友の………友だよ」





時間が過ぎ、あんなにも明るかった空は闇になる。
チラチラと星『達』が一点に集まっていく。
そして、星『達』は1人の元へ。

「『生と死を司る紋章』別名ソウルイーター『魂を喰らう者』」
「サイ…さん」
「呼び捨てでいいよ」

ティルは顔を背ける。

「あまり見ない方がいいですよ」
「どうして?」
「気持ち悪いでしょ…」
「大丈夫、昔も何度も見たから」
「何度も?」
「テッドが毎回、1つの戦いが終った夜に紋章に魂を喰らわしていたからね」

テッドをよく知っている。
僕よりも………?


「どうしてそんなに知っているか気になる?」

ティルは顔を横に振るが、表情を見ればすぐにわかった。
先程より目は開き、眉が少し上がって口を少し開いていた。
顔も少し赤くなっている。
気になっているのがよくわかる。

聞かれてもいないのに1つ1つ話していった。

「昔、群島諸国でクールークとの戦いがあり、俺はこの『罰の紋章』の宿主になり戦っていた。その時…………」














『なぜ自分だけがそのような重荷を負うのか。理不尽だと感じませんか』




『紋章のせいで…失ったものも多いでしょう…』
『得るものだってあった、と思う』

『あなたの…真の紋章の呪い、「なぜ自分だけ?」という気になりませんか…?』
『誰かに渡くらいなら…』


霧の船、船内。
そこで出会った白いフードを被った人。
すぐに感じた。自分と同じ。
紋章の呪い。

後に、生と死を司る紋章『ソウルイーター』の宿主、テッドというのがわかった。

その頃のテッドは1人になることが多かった。
いつも、いつでも船の甲板から海ばかりを見ている。海と言うより海よりも遠くを見ていた。



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