□忍び(坊カス)
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あれからまた月日がたった。
しばしば衝突のあったフリックが仲間になり、

家族の中で母親的存在のグレミオが死んだ。




ティルはひどく落ち込んだが、解放軍リーダーであるためそんなにも弱音を吐き出せなかった。




「ティル殿」
「マッシュかい?どうしたんだ」
「ティル殿に会わせたい方が…」

マッシュの後に続き、案内された場所は作戦をたてる部屋。
そこにはサイと一人の女の子が立っていた。


「あっ、はじめまして。私ロッカクの里の忍び、カスミと申します」

一瞬動きが止まる。
サイに言われまた我にかえる。

「はじめまして、解放軍リーダーのティルだ。用件は?」
「…ロッカクの里があなた様の父、テオ・マクドールの手によって落ちました」

目の前の視界が歪んだ。
忘れていたわけではないが、いつか父と戦う事。
いつのまにかこんなにも近くまでやってきていた。

「頭領のハンゾウはこのことをティル様に伝えるよう私を逃がしてくれました…」
「ティル殿…」


わかっている。
いつかは…
戦わないと…


「行こう、出陣だ!!」

ティルの掛け声と共に、解放軍はトラン湖を挟んだ対岸に向かった。
ティルは戸惑い、この対戦は直ぐに負けた。
ティル達は急いで本拠地に戻ろうとしたがテオはすぐ後ろまで迫っている。



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