□君を探して
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それから俺はまた一人で旅を続けた。

別にラズリルに戻ってもいいと思っていた。
でも…

知っている人は誰もいない。

子孫はいても、俺の事は知っているはずがない。
俺には帰る場所なんてなかった。





「テッド!」
その言葉に反応した。

赤い服を身に付け、緑のバンダナを被った少年。

「ティル呼んだか?」

ティルと呼ばれた少年。

あぁ…


見ればすぐにわかる。
テッドにも心から親友と呼べる人が出来たのだと。
もうここはテッドの世界。
ジャマをしてはいけない。

だから立ち去ろうとした。
テッドを探す旅ではなく、行くあてのない旅。


さぁ、早く。


決心はついた。



なのに…

足は止まったまま。
決心はついているのに…

心の奥底。

奥の…奥の深く深い胸の内は正直だ。


















テッドと居たい。


















知らぬ間に涙が出てきた。
150年も離れていて、
こんなにテッドが大きな存在だとは思わなかった。

止めたいのに止まらない涙。

離れることはつらい。
だから今度は違う決心をした。



俺はあることを知っていた。
レックナート様と同じ【門の紋章】を持つ双子の姉。
名を『ウィンディ』
ウィンディはテッドが宿している紋章【ソウルイーター】を300年も前から狙っている。
テッドを探していた時俺の宿している【罰の紋章】も狙われたことがある。

でも、ウィンディの今の狙いは【ソウルイーター】
俺はそれを守ってやる。







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