□特訓(ルクビキ)
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その様子をサイとティルが柱の影からこっそりと覗いていた。

「さてと、俺達も仲間探しに行くか」
「い、いいのか。あのままにしても」
「いいんだよ。これも作戦のうち」

んー?っと、ティルは首を傾ける。
作戦?

「作戦って、今度ビッキーを戦争に出すためか?」
「まぁ、それもあるけど…」

サイはまた2人の方を見る。

「あれは協力するしかないだろ?」







「きゃあ〜また失敗しちゃった」
「いいよこれくらい…」

失敗するビッキーを責めようとしないルック。
ティルも『あぁ…』っと頷いた。

つまり、ルックは完全にビッキーに引かれている。
きっとそのことを察知してサイはこのような事をしたのだろう。








「ルック君…」
「何か用?今日はまだ特訓の時間じゃないけど」

いつも通りに石版の前に立つルック。

「あ、あの〜この戦争が終わってからでいいんだけど…」

モジモジと、顔を赤らめて必死に声を出す。

「何?早く言ってくれない」
「あ、あの…い、一緒に出かけない?」

急な事に目を見開く。
突然、これは…かなりうれしいかも。

「ほら、私のテレポートで群島諸国とかファレナ女王国とか…」

手を左右にパタパタと振り必死に伝える。
伝わっているのか自分でもわからない。

ルックは笑っている。

「……ビッキーのテレポートが上手くなったらね」
「あ〜ひどーい!!」


2人の笑い声は部屋中に響き渡った。
幸せな2人。


だが…



この幸せも18年後にはすべて崩れていくことを、2人は知ることはなかった。




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