SS
□過去拍手SS
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「わっ!
…どうしたんですか?」
すごく久しぶりのデートの後。
振り返れば帰れなくなるからと、背を向け歩き出す私をあなたは急に
後ろから抱きしめた。
お願い。
もうこれ以上私の心臓に負担をかけないで。
あなたの側だと必要以上に働く私の鼓動は
限界寸前なんです。
「…もう少しだけ
一緒にいてくれませんか?」
憂いを帯びたあなたの声は私を麻痺させる。
あなたがそう望むなら
離れてくれと言われたって
もう離れられない。
「少しだけでいいんですか?」
「帰れなくなりますよ?」
優しく柔らかな声に混じる色気に胸がドキッとする。
3
2
1
あなたがゆっくりカウントするけれど、
一歩たりとも動かない私を
あなたは更にギュッと抱き締めた。
私は絶対あなたの側から離れない。
全部はあなた次第なんです。
だから離さないでね。