DMCキャラdeドラクエ
□ゆーすけありー?
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非常の訪れを告げる大音量。
おのずと、酒場中の人間の注目を浴びるダンテ……達。
「誰かしら、あれ」
レディが見つめる先にはその手に刀を携えた、一人の男がいました。恐らく、この男が先程の音を生んだ犯人でしょう。無惨にも斬り崩された酒棚から滴る液体が、それを物語っています。
「ごあいさつだな」
いつの間にか立ち上がったダンテが、カウンターから飛び下りました。そして目の前の男と対峙します。
「ストレスでも溜まってんのか?残念だったな、生憎ここにカラオケは置いてない」
へらへらと軽口をたたくダンテとは対称的に、男は微動だにしません。迷いの無い厳しい視線で、ダンテを睨んでいます。
「そうだな」
感情を感じさせない表情が、少しだけ、緩みます。
「最早用無しになった木偶を斬り刻むのも、一興かもしれん」
「…なんかよく解らないけど、物騒な雰囲気ね」
「…奴は」
「?」
「戦士かな」
「どう……かしらね」
ネロの視線を追い、相づちをうつレディ。
男が手にするは刀。しかし、その一見細身な体や、激情とは程遠い落ち着いた蒼と黒の動きやすそうな服装は、戦士というよりむしろ…
「やっちまえ盗賊のにーちゃん!」
「いーや殺せ!どうかオレ達の無念を!!」
「燃えよ剣!」
「うっせぇー…」
最早酒場内は刀の男への声援でひしめいています。
「酷い嫌われ様ね…」
「なあ、レディ…」
「ん?どうしたのネロ」
「オレ達も応援した方が…」
「してもいいけど、彼の名前も解らないしね」
「いやそうじゃなくて…」
「え?」
「な、なんでもないっ!」
「?」
そんな二人のやり取りをよそに、ダンテと男の間の火花はその勢いを増す一方です。
「表へ出ろ」